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 上野山さんからのリポート
 「一人夕日を浴びながら竿を出す

  糠の地磯 (福井県)
   2020/11/14

 


11月10日に久しぶりに釣りに行き、その日釣った魚のおいしい刺身も食べることができて、ようやく鬼嫁の「ハマチ攻め」も終わりました。

次はグレの刺身だと欲を出して、14日の土曜日も釣りに行きました。
1回釣りに行って釣果があれば、またすぐに行くことができるものです。
人間、欲がないと何事も成長しないものですね。
アッ、私はもう60歳をこえているので成長は止まっていますね。

14日は日本海に高気圧が張り出してくる予報です。
雨は降りませんが北東の風が強く吹き、ウネリも出て波の高さは1.5mのち2mです。
これでは渡船は出ないと思い、いつもの越前の糠の地磯に行くことにしました。

サンスイ釣具店には1時前にエサを取りに行きます。
今回は時間が短いのでオキアミ1枚です。
今日は土曜日で晴れですのでお客さんは多いということです。

越前方面に車を走らせますと、カニが解禁となったためでしょうか、かなりの数の県外車が走っています。
風が強いためか、途中の岩場は釣りをしている人はいません。
1時半ごろに糠の地磯に到着しましたが北東の風が右側からあたってくるので、風が緩くなるまでは釣りにくそうです。

私は地磯に渡って、マキエの準備をして仕掛けを用意いたしました。
時刻は1時半ですので5時までとしますと3時間半の釣りです。

竿はアテンダー1.5号、道糸は2号に、ハリスは1.75号です。
浅い釣り場ですのでハリスを1ヒロとして0ウキをヨウジで止めて固定としました。
ハリはコッパグレに飲まれないようにグレバリ8号としました。

足もとには時折大きなウネリが寄せてきます。
天気予報の波の高さ2mは当たっているようです。
サラシの中にマキエを打ってサラシの切れ目に仕掛けを入れます。

1投目はウキが沈まないのにエサがありません。
2投目も同じように仕掛けを入れ、仕掛けを張っていますとウキが入ります。
オッ、アタリだと合わせますが手ごたえは弱いです。
上がってきましたのは10cmほどのシマダイです。
このシマダイはグレバリ8号を咥えていました。
こんな小さな魚でも8号のハリで釣れるものだと感心してしまいます。

 
2投目で釣れたシマダイ


5回ほど空振りが続いて次に釣れたのはフグです。
8cmほどのフグですが8号のハリで釣れました。
空振りが続くのは小さいフグや2投目に釣れたシマダイなどがエサを取っているためではないかと思います。
これは、ましなグレがエサ取りをかき分けて上がってくるまでは、エサ取りの相手をしなくてはならないようです。
前回の一文字では竿2本のタナでののんびりした釣りでしたが、やはりこの時期の地磯の釣りではエサ取り相手のいそがしい釣りになりますね。

20回ほど仕掛けを入れてようやくグレが釣れましたが、サイズは10cmほどです。
夕方には良い型のグレが釣れると信じて打ち返すしかありませんが、ウキを入れてから3秒ほどで仕掛けを上げますので、なんともせわしない釣りです。
これなら釣れなくても一文字の釣りのほうが良かったかなと思います。

その後、フグは10匹ほど釣りました。
コッパグレも20匹以上は釣りましたが、なかなか25cmほどのグレは釣れません。
8号のハリを使っているためか、仕掛けを入れても8割ほどはカラブリです。
まあ、コッパグレが釣れ続けて1匹ずつハリを外すよりも空振りのほうが楽ですが、仕掛けを投入してから上げるまでが2、3秒ですのでせわしなくて息が切れそうです。

4時ごろになり私はお茶を飲んで休憩をしました。
日暮れまであと1時間ほどですので、何とか持って帰るグレを釣りたいと思いました。
マキエは足もとに打って仕掛けを近めに投げたり遠投したりしますが一瞬でエサが取られます。
ウキがなじむまでに竿が引っ張られてコッパグレが釣れたりもします。
これは、夕方にエサ取りがおとなしくなった一瞬しかグレを釣るチャンスはないかもしれません。

 
やっと釣れたグレも10cmほど 8号のハリを咥えている

あまりにも空振りが多いので、ウキ下を短くしようと思いましたが、今日は2段ウキのハッポウ玉を持ってきていません。
しょうがないのでハリスを切ってウキ下60cmほどのタナとしました。
この仕掛でもウキにアタリが出ないままエサが取られてしまいます。

時刻は4時半になり太陽が傾いてきました。
そろそろましなグレが釣れないとボーズです。

太陽が傾いてきますと、何となく寂しい気持になりますね。
まわりに誰もいない海で一人夕日を浴びながら竿を出していますと、孤独を感じてフト今までの人生を振り返ったりするものなのかもしれませんが、このエサ取りとの戦いは忙しすぎて孤独をじっくりと味わう余裕はありませんでした。

沖に投げたウキが沈み合わせますとマシな引きです。
思わず「これは大型のグレか!」と思いましたが、上がってきたのは23cmほどのグレです。
それまで釣っていたのが10cmのグレだったために、大きく感じてしまいました。
大きなグレだと思い、私は思わずリールのブレーキまで解除してしまいました。
私はこのグレを活かしバッカンに放り込みました。

次こそ持って帰るグレをと思い、同じ場所にウキを入れましたが、次は願いもむなしくフグが釣れてきました。
フグをかき分けて食いあがるほどのグレはいないのでしょうか。

夕方になり風も収まり、ウネリがたまに来るという絶好のコンディションになりましたが、どこに投げてもエサが取られるか10cmほどのグレしか釣れません。
5時になりもう1匹21cmほどのグレが釣れましたので活かしバッカンに入れます。
なかなか30cmのグレは釣れません。

5時20分まで粘りましたが、ウキが見えなくなってきましたので終了としました。

活かしバッカンに泳がせていた2匹のグレは放流しました。
バケツを洗っていますと、海水はぬるま湯のように感じましたので水温はまだかなり高いのでしょう。
20cmほどのグレはいますので、水温がもう少し下がればもう少し大きなグレも釣れるのではないでしょうか。

帰りにサンスイ釣り具のご主人に電話をかけて、ウキ下60cmのタナでやってグレボーズの報告をしましたら、「前回は竿2本のタナだったので極端な釣りやな」と笑われました。

今回は持ち帰る魚が無いのでボーズということになりました。
次回こそ持って帰るようなグレを釣りたいものです。


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