TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「ボーズを逃れるには釣るしかない」

  泊 (福井県)
   2022/03/24

 



3月21日の春分の日に越前に釣りに行きまたもボーズで、なんと2回連続ボーズとなりました。
ボーズを逃れるには釣るしかないということで、3月24日は年度末で忙しいのにもかかわらず、平日に泊に釣行いたしました。
働き方改革で月に1回は休まないといけないですよね。

前日の夕方の天気予報は晴れ、南風の波高50cmということで、どこででも釣りができそうな予報です。
大谷渡船に電話をいたしますと、7時出船で今のところ3人予約ということです。
私はすかさず「では、私もお願いします」と予約を入れました。

サンスイにはオキアミ2枚とレンガのボイルを予約して朝5時過ぎに取りに行きます。
ご主人が「中2日で疲れませんか」と聞いてきますが、休憩をしながら釣りをしているので、そう疲れは残っていません。

朝6時半に大谷渡船に到着しますと船長が事務所の前にいます。
挨拶をして「今日は50cmの波ということでどこでも行けるね」といいますと「朝の予報では西の風が吹くということで波は1mになりました。風が吹き始めたら港の近くに戻ります。12時の見回りまではできると思います」ということです。
今は晴れて南風が少し吹いている程度ですので、急に西風が吹くとは思われません。
天気図でも高気圧の中にいるような感じですので腑に落ちませんが、船長の言うことは正しいのでしょう。

「今日は低い磯は危ないので、上野山さんはいつもの千畳の離れでお願いします」と天の声で磯まで決まられました。
「千畳の離れ」は1月に真鯛を釣り上げていますので相性はいい磯です。

4人がそろいましたので6時40分に船は港を出ます。
南のそよ風で晴れのベタ凪ですので、かえって釣りにくいような天候です。

私は2番目に「千畳の離れ」に下ろしてもらいました。
この磯では過去に40cmのグレを釣ったことがあります。

今日の仕掛ですが前回の越前と同じです。

前回「長崎」で隣の釣り人が8ヒロでグレを釣った話をサンスイのご主人と話しましたら、「今の時期、魚が底で食うのなら毎回釣り場の深さを測ってから釣りをしなくては」とアドバイスを受けました。

今回もマキエを打ちながら1号のオモリを仕掛けにつけて、釣り場の深さを測ります。
4ヒロにウキ止めを付けて足もとに落としますと、ウキが見えないくらい入ります。
7ヒロでウキがぼんやりと見える程度です。
8ヒロでウキがはっきり見えます。
そのまま沖に8ヒロで投入しますと、かすかにウキが見えます。
この釣り場は足もとからドン深になっていたのでした。
40cmのグレを釣った時は、深さを測らずにとりあえず3ヒロ半で釣りあげましたが、その時グレはマキエで浮いてきたということなのでしょう。

前回40cmのグレを釣ったのは4月ですので今よりはかなり水温も高かったです。
今はまだ3月で水温も低いのでウキ下は竿2本の7ヒロで始めます。

足もとにウキを落としますとウキはほんの少し左に流れますが、ほとんど動きません。
これでは潮が動くまでは釣れないと思いました。
それでも1投目はボイルの着けエサが取られていました。

 
いつもの千畳の離れ 今日は一人


着けエサが取られるということは望みがあると思いました。

以前40cmのグレを釣り上げましたのは足元の磯際でしたので、「過去の成功体験にとらわれて」足もとばかりウキを投入してしまいます。

そのうちにウキが沈まないのにフグが釣れました。
エサを取っているのはフグのようで、ハリの上が噛まれてギザギザになっています。
フグにハリを取られたりハリスが傷ついたりで何度もハリを結びなおして、ハリスがだんだんと短くなっていきます。

船長が12時に磯替えをするかもしれないと話していたので、何とか午前中に釣らなくてはと思い、マキエを多めに足もとに打ち、竿2本ほど沖に仕掛けを投入してもボイルの頭だけ取られる状態が続きます。

気分転換に少し右側の磯際に仕掛けを入れますと、仕掛けがなじんでゆっくりとウキが入ります。
合わせますと何か魚が掛かりましたがあまり引きません。
上げってきたのは15cmほどのコッパグレです。
若狭で7ヒロのタナでグレを釣るのは初めてかもしれません。
今まで2回のボーズではフグとベラしか釣っていないので、コッパとはいえグレを釣るのは久しぶりです。
このグレはハリを外して放流しました。

 

9時前に釣れたグレ ウキ下7ヒロでした


その後はまたエサが取られる状態が続きます。
1匹グレが釣れたということで、この後も磯際ばかり仕掛けを入れました。

磯際ではエサが取られるばかりなので、左向きに竿1本先に仕掛けを入れました。
仕掛がなじみますとゆっくりとウキが入ります。
これはアタリと合わせますとパン、という音がして2号の道糸がウキの上から切れてしまいました。

この道糸を使うのは3回目です。
1回使うたびに10mほど切ってヨリを取っていたのですがどこかに傷がついていたのでしょう。
大きなフグだったかもしれませんが、大きなチャンスを逃してしまったかもしれません。
ウキは見えなくなってしまいましたので、またもや5Bのウキを流してしまいました。

リールのスプールを予備の2.5号を巻いてあるものに替えて仕掛を作り直します。
まだ5Bのウキがありましたので、また7ヒロのタナで仕掛けを作ります。

その後はまたエサが取られるばかりでウキが沈むことはありません。
潮は左に流れたり右に流れたりしてフラフラしています。

8時半になり今度は竿2本ほど先を狙ってみました。
ウキの回りにマキエを多めに打って3回ほど投入したとき、仕掛けを上げますと魚が掛かっています。
これはチヌではないかと思いましたが上がってきたのはグレです。
見たところ30cmは無いようですが貴重な1匹ですので私はタモで掬いました。
このグレは新調した活かしバッカンに入れます。
ブクブクのスイッチを入れるのも実に久しぶりです。
活かしバッカンのスケールで測りましたら、このグレは28cmでした。
ようやっと持って帰れるグレが釣れました。

 

8時半ごろ釣れたグレ 28cm


ウキが沈まないのにグレが釣れていたということで、タナを1ヒロ浅くしました。
次に仕掛けを入れますと、仕掛けがなじんだ頃にウキが入ります。
これは40cmのグレかもしれないと思い、竿を起こしますが手ごたえは軽いです。
今度釣れたのは25cmほどのグレでしたので放流します。

前回「40cmのグレがダメなら30cmのグレでも」と神様にお願いのグレードを下げたのが通じてしまったのか、30cmまでのグレが3匹釣れた後はベラが1匹釣れただけでした。

この後、突然潮が左から強く足もとに向けて当たってきて釣りになりませんでした。
当たってくる潮が弱くなった時がチャンスと仕掛けを投入しますが、相変わらずオキアミの頭だけとられる状態が続きます。
結局終了まで潮は当たってきました。

迎えは4時ですので3時半に終了しようと思いました。
ところが3時前に風向きが変わり、冷たい西風が吹き始めました。
今まで晴れていましたが、遠くの山が雲で見えなくなっています。
それまで暖かかったので脱いでいたカッパを急いで着ます。
これは急いで道具を片付けたほうが良いと思い、3時には道具を片付け始めました。

3時半には海は白波がたってきて強い西風が吹きはじめました。
船は3時40分ごろに来ましたが、かなりの波ですのでうまく磯に着けられるか心配です。
もう三角波もたって1.5mほどのウネリが寄せてきます。
船は磯に乗り上げるようにして着けてくれたので、さっと道具を渡して船が下がらないうちに急いで船に乗り込みます。

つい30分ほど前までベタ凪だったのに天気が急変しました。
荒れた海でなんとか4人の釣り人を無事に回収して船は港に向かいます。
船はウネリを乗り越えるたびにドンと落下します。
我々はそのたびにシブキをかぶりますが、無事に湾に入ってくれることだけを考えていましたので顔にしぶきがかかってもなんとも感じませんでした。

やがて船は三岩を越えますとベタ凪の湾内に入りました。
今日は海の怖さを改めて思い知った日でした。
天気図では高気圧が張り出していて、前日の予報は波高50cmでしたので気楽に釣りに行きましたが、天気図だけではわからないこともあるのだと思いました。
本当に油断大敵です。

港に帰りますと船長が「2時ごろに迎えに行こうと三岩まで行ったけど、ベタ凪なので4時までやれるかと思い引き返しました。風が吹きはじめて慌てて向かいに行きましたが少し遅れました」といいます。
ほんとに今日は4人でしたので何とか船に乗れましたが、人数が多いと荒れた海での回収は時間がかかりますので危ないところでした。

釣果ですが2人組は48cmまでのチヌを5匹釣ったそうです。
前回も会った釣り人がチヌ53cmまで5匹とグレ42cmを釣ったということです。
この方は当て潮が緩んだ時に釣れたということです。

私はグレ28cm1匹でしたが、何とかボーズから脱出できました。
コッパですがグレも3匹釣れましたので調子は上向きでしょうか。
家に帰って久しぶりに鬼嫁がさばいたグレの刺身をたべましたら、コリコリとして味わい深かったです。

次回は神様に40cmのグレをお願いしてから釣りを開始しようと思いました。


TOP 釣行記index 次のページを読む