TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「冥土の土産話は銭洲でボーズ」

  神津島 (東京都)
   2022/04/10

 

神津島の2日目は銭洲に行くことになりました。
Fさんは過去に銭洲で50cmオーバーのオナガグレを釣っているということですので期待は持てます。
ただ、今シーズン初の銭洲ということですので、行ってみないと状況は分かりません。

我々は朝6時すぎに宿屋を出ました。
15分ほど港で待っていますと下田から船がやってきます。
泊りの釣り人の道具をカメに入れて、船は絶海の岩礁、銭洲に向けて出発です。

敦賀のサンスイ釣具店で「2日目はなんと銭洲で釣りです」と言いましたら、ご主人に「冥土の土産話に一度行ってみればいいではないですか」と言われました。

私は今日、何匹魚が釣れても50cmオーバーのオナガグレ以外は持って帰らないようにしようと思いました。
私としては昨日「弁慶」で大型の魚をバラしていますので、2日目も神津島でよかったのですが渡船屋が銭洲に行くからには運命にゆだねるしかありません。

船の中で私はキャビンに横になっていました。
昨日は凪でしたので、今日も酔い止めを飲みませんでしたが、今日はウネリもありもう少しで気分が悪くなりそうでした。

1時間程度走ったでしょうか、船はスピードを落とします。
外を見ますと、何もない海の中に突然岩礁が現れます。

まず船はヒラッタイに着けます。
南風のウネリが来ますので乗れる人数は限られています。

Fさんと私はネープルスの大根に下りました。
この場所も昨日と同じで海藻が生えていて足場の悪い場所です。
ただ、磯の上に登りますと平たい場所があり竿袋なども置けますし、座って休憩することもできます。

 
我々が釣りをしたネープルス大根


家に帰ってからなぜにネープルスという名前なのか調べてみましたら、大正時代にこの岩礁でネープルス号という船が座礁したのでこの名前になったそうです。

Naplesはイタリアのナポリの英語読みということです。

我々の釣り場は足もとから大きなサラシが出ていて、かつ足もとにはタナが出ていますので何とも釣りにくい場所です。

 

ネープルス大根で準備をするFさん 


こんな釣り場で大きなオナガグレは取り込めるだろうかと不安になります。

今日の仕掛は昨日と同じです。
ハリスは今日も5号としました。
Fさんもハリス5号としました。

マキエを打ちますとサラシの中に黒い魚が見えますが、これはイズスミのようです。
しばらくマキエをしますと、サラシの切れ目にダツも出て来ます。
今日はウキ下2ヒロから始めます。

Fさんは初めてしばらくして、40cmほどのアカハタと40cmほどのイラを釣りました。

私にも30cmほどのイズスミがたまに釣れてきます。

エサ取りが見えますが、2回に1回はエサが残ってきます。
魚の活性が高くないのかもしれません。

沖の潮目までウキを遠投しても、道糸が引っ張られてどんどん出ていくような流れはありません。
銭洲まで来ましたが今日は苦戦のようです。
「潮が流れなければ名礁もただの岩」という言葉が頭をよぎります。

その後は二人とも、たまに30cmほどのイズスミが釣れるだけで時間が過ぎていきます。

お昼前にFさんが沖に投げたウキが入り、とんでもない速さでリールが逆転します。
「これはとても獲れんな」とFさんは言います。
これはヒラマサのような大きな青物が掛かったのではないでしょうか。
しばらく糸が出た後で仕掛は切れました。
道糸がウキから上、50mほど切れてしまったということです。
「マ、面白い目をしたわ」とFさんは言っています。

お昼過ぎに渡船が見回りに来て磯替わりするかと言いましたが、風が強いし残り時間もないのでこのままこの場所で釣りをすることにしました。

やがて何も釣れないまま1時を過ぎましたので我々は道具を片付けました。
今日は二人ともグレボーズでした。
絶海の岩礁に来ましたが釣れないときはこんなものですね。

船に戻って同じ宿に泊まった方に聞きましたが、今日はオナガグレ1匹だけということです。
どうも水温が昨日よりも3度近く上がったようです。
また黒潮が近づいてきたのかもしれません。
水温の変化で魚が釣れたり、釣れなかったりするのは仕方がないことですね。

なかなか2日続けて釣れるということはありませんね。
これで、50cmオーバーのオナガグレを釣るという目標は持ち越しとなりました。
「冥土の土産話は銭洲でボーズ」というさえない結果となりました。

今回の1泊2日の釣行初日は、水温の上がり始めるギリギリのタイミングで、神津島で釣りができたということです。
これが、1日遅れていたら初日のグレ爆釣は無かったと思います。
釣り運も味方してくれたでしょうか。

来週末は台風の通過で釣りにならないということですので、今回の釣行はツイテいました。
また水温が下がれば神津島に釣りに行きたいものです。
 


TOP 釣行記index 次のページを読む