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 上野山さんからのリポート
 「筏に釣りに行く

  敦賀半島の手の浦 (福井県)
   2022/10/04

 


9月末にサンスイ釣り具に寄りますと、10月4日の火曜日は休むということでした。
ご主人に「4日はどこかに釣りに行くの」と聞きますと「常連客と筏に釣りに行く」ということです。

同行するのは、私の高校の時の同級生で寺の住職をしているT君と、居酒屋をしているMさん、以前越前の磯にグレ釣りに行ったことがあるH君ということです。
そのほか常連客も2名行くということですので大人数です。
「そんだけで行くのなら、筏1台を貸し切りにしないといけないのでは」といいますと「人数によってはそうなります」といいます。

筏釣りは子供のころに湾内の貯木場にゴムボートで行き、筏になっている丸太の上で勝手に筏釣りをしていました。
その頃はよく筏釣りに行きましたが20cmほどのチヌしか釣っていません。 

その後、10年前に84歳で亡くなった親父が70歳のころに筏釣りを再開して、一人では危ないのでついていってほしいといわれて、親父と筏釣りに5,6回行きましたが、私はチヌを1匹も釣ったことがありません。
せいぜいカワハギくらいしか釣れなかったと思います。
サンスイ釣り具の常連がそろって筏釣りに行くということであれば、私もヒヤカシで参加してもよいかなと思いました。 

私は昨年、家の中の使わないものをかなり処分しました。
コロナでどこにも行けませんでしたので、休みの日は家の中のいらないものを何度も市の産廃場まで運びました。 
古い釣り道具もかなり処分いたしました。
ルアーや、ルアー竿などはタックルベリーに持ち込んで買い取ってもらいました。
倉庫の棚にあった筏釣りに使うスカリや椅子、古い筏竿は産廃場に捨てました。 
筏の道具はもうないと思っていましたが、家の倉庫に筏竿がリールをつけたまま1本残っていました。

これは使えるものかどうかサンスイ釣り具に見せに行きますと、竿を見てご主人が「このがまかつの竿は使えますが、リールは左巻きのリールですし、下向きに使うので難しいよ」と言います。
この筏竿とリールを私は使った覚えがないので親父の形見と思われます。
ちょうど店にいた居酒屋のご主人のMさんが、「あんたも行ったらええやん」といいますので「筏釣りは長いことしていませんが、仕事の都合がつきましたらご一緒します」といいました。
ご主人は「9月30日の金曜日には予約を入れる予定ですので、それまでに行くかどうか決めておいてください」といいます。 

Mさんは、いつも夏にサンスイのご主人とキス釣りに行っていますが、今年は久しぶりに筏釣りに行き40cmオーバーのチヌを釣ったということです。
その時は住職のT君、サンスイご主人、3人ともに40cmオーバーのチヌを釣ったということです。
その成功体験があるので、2週間ほどして再度筏釣りに行くことになったということです。 

9月の29日に、会社には来週の火曜日は休むといってから、30日にサンスイ釣り具に寄りますとちょうどMさんもいました。
この方は暇なときはいつもサンスイ釣り具にいるのでしょうか。
「おお、上野山君あんたの分も筏の予約しといたで」とMさんが言います。
「えっ、今日行けると返事しに来たのに、すでに私は予約の人数に入っているのですか」といいますと「早めに予約したほうがいいと思って、もう上野山さん分の予約入れました」とご主人が言います。

筏の道具を見せに行ったその時点で、私は釣りに行くことを表明したようなものでしょうか。
そんなわけで、私は20年ぶりに筏釣りに行くことになりました。
親父の形見の筏竿とリールも久しぶりに使われて、成仏するのではないかと思いました。 

筏の団子ですが、常連の方は団子にサナギミンチを練りこむということですが、私はサナギの油で手が滑るので使わないことにします。
私の団子は市販のものに、チヌパワーを加えて作ることとしました。
エサ取りが多いいということで、付けエサは貝のほかにサナギやボイルのオキアミをサンスイ釣り具が用意してくれるようです。 

当日は朝の5時半出船ですので、サンスイ釣り具店に5時前に行くことにします。
私のリールはサンスイでシーガーエース2号を巻いてもらいました。
前日のうちにカッパや水汲みバケツ、ライフジャケットなどをまとめて大きな活かしバッカンに入れて準備をいたしました。 

10月4日の朝5時半に我々は、敦賀半島の手の浦(たのうら)にあります「釣り筏あけぼの」に到着いたしました。
駐車場から船まで30mほどですが、船長が軽トラックで荷物を運んでくれます。 

 

「釣り筏あけぼの」の乗船場所 この写真は帰ってきたときです


今日のサンスイ釣り具店グループは、私を入れて5名ということになりました。


今日の天気ですが前線が夕方に南下して来ますので、夕方から雨です。
日中は前線に向かって吹く南風が強いという予報です。
前線が通過した翌日からは空気が入れ替わり、気温が10度ほど下がるということです。
この日の予報では最高気温は30度近くなるということで、今日はまだ夏の天気でした。

船は5分ほど走って大きな2号筏に到着いたします。
この筏の大きさですが、見た目10m四方以上はあります。

一緒に乗った一人の釣り人は、南向きに風に向かって釣り座を選びました。
我々は、釣りやすいように風邪を背中で受ける北向きに5人並んで釣ることにしました。

10m四方の筏でも、やはり釣れる場所はあるようです。
サンスイのご主人の話では、南向きに座った釣り人の場所が一番この筏では釣れるようです。

久しぶりに筏に乗って驚いたのは、トイレに西洋便器がついていたことです。
また、5人ほどが入れる屋根のついた休憩スペースもあります。
雨の日など休憩スペースで食事などとれそうです。
団子を練る時のタライやバケツ、分別ゴミ入れまで筏にあります。
20年も行かないとずいぶん変わりますね。
この筏では女性や家族連れでも安心して釣りを楽しむことができるのではないでしょうか。

我々は左からT君、私、Mさん、サンスイご主人、H君という順番に並びました。

 

釣り筏 右側の3人 椅子は釣具店のもの


筏釣りは座って釣りますが、釣りを終えますと腰が痛くなります。

釣っている間はそう痛くありませんが、家に帰って道具を洗った後で立ち上がろうとするとものすごく腰が痛いです。
釣っている間は楽しいので腰は痛くないのでしょうね。
現実世界に戻りますと腰痛が出ます。

サンスイご主人は腰痛予防のために、店の折り畳み椅子を筏に持ち込んでいます。
右側の3人は釣具店の椅子に腰かけて釣りをするということです。
この椅子を使うと疲れ方が違うとご主人は言っていました。

筏に上がって釣りの準備をしますが、なかなか糸が筏竿の小さいガイドを通りません。
眼鏡をはずして糸を通しますが、風で糸が揺れますので時間がかかります。

釣りの支度をしていますと、御主人が各人のところに貝や練り餌の付けエサを配ってくれます。
「オキアミは大きなクーラーに入っていますので各自使ってください」といいます。
さすがに釣具屋のご主人らしい気の使いようです。
私はボイルのオキアミを付けエサにしました。
御主人は釣れた魚を入れるスカリを筏に取り付けたりして、忙しそうに動いています。

私はようやく糸を通して針を結びました。
今日はチヌバリ3号でスタートです。
最初はオモリを打たずに始めました。

 

私の釣り座 30cmのバッカンで手を洗いました


1
投目です。
団子は割れずに無事に海底まで落ちました。
御主人の話では深さは20mほどあるということですので、固めに団子は作ったほうが良いと思いました。

5分ほど経ちましたが団子は割れません。
その間にご主人が50cmほどのボラを釣り上げました。

10分ほどして、ようやく団子が割れて竿の穂先が上がりますと、穂先を抑えるようなアタリが出ます。
合わせますと魚が掛かっていますがあまり引きません。
上がってきたのは20cmほどのチャリコでした。
魚はハリをはずしてスカリに入れました。

朝のいい時合いですが、H君にボラが釣れたあとはカワハギ、アジなどが釣れます。
私は団子が中々割れないので、少し水を加えて練り直しました。
団子が中々割れないので「竿を持ち上げて団子を割ったほうが良いかな」といいますとT君が「団子はいつか割れますよ。割れないことはないのです」といかにも住職らしいアドバイスをくれます。 

私の5投目に団子が割れて竿先を抑えるようなアタリが来ました。
合わせますと一瞬竿が立たないような感じです。
その後は猛烈に引きます。
この引きはボラだなと私は思いました。
短い竿でボラを上げるのはスリルがありますね。
引きだけでしたらチヌよりもよっぽど面白いと思います。
ボラは隣のMさんがタモを入れてくれました。

 

私に釣れたボラ 竿、リールは親父の形見です


ボラは持って帰って食べるとご主人が言いますので、スカリに入れました。

その後1時間くらいは餌をとられ続けます。
「多分カワハギが餌をとっていると思います」とご主人が言います。
他の方も手のひらよりも小さいカワハギを釣るか20cmほどのアジを釣っています。

これは期待ウスと思っていましたら1時間ほどして右側で釣っていたH君の竿が曲がります。
これもボラではないのかと見ていましたら、水面に浮きましたのは40cmほどのチヌです。

エサは何かと聞きましたら持ってきたコーンということです。
ハリにコーン4粒つけて釣りました」とH君が言います。

H君は前日にスーパーでコーンの缶詰を買って持ってきていたということです。
私は早速H君のところに行きコーンをもらってきて落としてみましたが、アタリが出ないうちに取られてしまいます。

10分ほどしてご主人の竿が曲がります。
魚は横に走らないのでチヌかもしれません。
竿の曲がりを見ていてもチヌのような感じです。
ご主人の付けエサはオキアミということです。

リールを巻きながらご主人は「コーンで釣るのは邪道です。やはりオキアミでチヌを釣らなくては」とH君に向かって得意そうに話しています。
しかし、なんと海面に姿を現したのはチヌではなくてボラでした。

私は「ご主人、魚の姿を見てタモに入れてから自慢しなくてはいけませんよ。リールを巻いている途中では自慢するタイミングが早すぎます」といいますと「すみません、反省します・・引きはチヌでしたが」とサンスイ釣具のご主人は釣れたボラを恨めしそうに見るのでありました。

こんな騒動もありましたが、その後H君以外は昼までアジしか釣れません。
御主人はアジ釣りの2本バリの仕掛けを出してきてお土産用にアジを釣っています。
Mさんもアジ釣りの仕掛けでアジを釣っています。
Mさんはこの仕掛けでサゴシとシマダイも釣りましたので、魚の引きは味わえたと思います。

やがて12時のサイレンが聞こえてきました。
Mさんが「前回来た時も12時過ぎに釣れました」といいますので集中しますが、穂先にアタリが出ないままエサがとられる状態が続きます。
今日は2時で上がる予定ですので、片付けも入れますと釣る時間はあと1時間半ほどです。

また、H君の竿が曲がります。
今度もボラのような引きです。
ですが上がってきたのは40cmほどのチヌです。
今回はボイルのオキアミで釣ったといっていました。

「なぜにH君のところはアタリが出るのかな」といいますと「実はこの竿の穂先は自作したのですよ」とH君はいいます。
「自作穂先の感度が良くてアタリが出るのかな」といいますと「まあ、そうかもしれません。この穂先は作るのに1週間かかりました。なかなかいいでしょう」とH君は得意そうです。
「ほう、なかなかカタルな」と私がいいますと、Mさんが「あんたがカタルように仕向けとるで」と私を見て笑います。

筏釣りは座って話をする余裕があるところがいいところですね。
久しぶりにサンスイ釣り具店の常連客どうしで懇親を深めることができました。

終了間際の1時過ぎに団子が割れて穂先が上がると、穂先を少し抑えるようなアタリがありました。
合わせますと魚が掛かりました。
この魚は横に引かないのでチヌかもしれません。

隣で見ていたT君が「これはチヌのような引きですね」といいます。
私もこれは手ごたえからしてチヌだなと思いました。
「親父の形見の道具がチヌを釣らせてくれました」とリールを巻きながら言いそうになりましたが、サンスイご主人の例もありますので、ここは自重して私はしゃべりたいのを我慢して無言でリールを巻きました。
途中まで頭を振るような引きもあり、これは確実にチヌだと思いましたが、海面に浮いたのは何故かボラでした。
ナンデヤー!!

今日はボラ2匹にチャリコにアジ3匹、手のひらカワハギ2匹が私の釣果でした。
親父の形見の道具はボラの引きで成仏してくれたでしょうか。
まあ、釣り場は近いところですので、また来てみて次回はチヌを釣りたいと思いました。

結局チヌはH君が40cmを2枚釣っただけでした。
筏のチヌ釣りはなかなか難しいですね。

駐車場でH君と話をしましたら、彼は小学生のころから筏釣りをしているということで、そのころからよくチヌを釣っていたということです。
彼は筏釣りではベテランということでした。
道理で巻き上げる動作に無駄がないと思いました。

この筏は敦賀半島の内側にありますので少しの波でしたら釣りはできそうです。
また機会がありましたら、サンスイ釣り具店の常連さんと遊びに行きたいと思いました。

 
釣果はチヌ40cm2枚他シマダイ、ボラ、カワハギ、アジなど

 


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