TOP 釣行記index 次のページを読む

 上野山さんからのリポート
 「晴れた日の釣りは最高

  武者泊 (愛媛県)
   2023/01/01

 

前回、四国の武者泊に釣りに行きましたのはコロナ前の20年1月でした。
この時はサンスイ釣り具店ご主人のM君と行って、自己記録の43cmのイシダイを釣っています。

この3年間は「コロナに感染しないために、不要不急の県外への外出はなるべくやめましょう」と福井県からの通達もあり、冬の四国には釣りに行きませんでした。
コロナが広がった1年目などは、県が毎日発表する市町村ごとの感染者リストの備考欄には「県外滞在歴あり」などと書かれて、県外に行ってはならぬという「お上」からの圧力がありました。

昨年暮れからようやく行動制限のない正月を迎えられて、3年ぶりにFさんと武者泊に釣りに行きました。
このコロナの間もサンスイ釣り具店のM君は武者泊に釣りに行っていました。
さすがに、仮眠所で知らない人と雑魚寝をするのは危ないということで、M君はビジネスホテルに宿泊していたということです。

年末にFさんと、ビジネスホテルが空いていて、渡船も乗れるなら行きましょうということで打ち合わせいたしました。
電話をしましたらホテルも渡船も予約が取れて、我々の希望する1月1日、2日の釣りは可能ということになりました。
ビジネスホテルはM君に教えてもらった御荘の「青い国ホテル」です。
北西の風が吹くこともあり、渡船はいつもの「いろは渡船」です。

12月31日はお昼前にサンスイ釣り具店を出発いたしました。

今回はボイルのオキアミを4枚半持ちました。
リールの道糸は新しく3号を巻きました。
今回は竿2号、道糸3号、ハリス3.5号でやってみようと思いました。

滋賀県に入りますと青空が広がってきます。
出発は雨の中でしたので、我々の住んでいる日本海側の天気とはまるっきり違いますね。
久しぶりに晴れた空を見ました。

31日ですのでトラックも走っていないので道は混んでいません。
我々はスイスイと淡路島を通り高松道に入り、ホテルには7時前に到着いたしました。
ホテルの横の居酒屋は大晦日で閉店していましたので近くの喫茶店でご飯を食べました。

渡船の出船は640分ということですので、5時半ごろにホテルを出ることにいたしました。ホテルの部屋で風呂に入り、朝4時に目覚ましを掛けましたが、1時前に目が覚めてしまいもう眠れないと思い、翌日の釣りのことや過去の武者泊での釣りのことなど考えて目を閉じていました。
釣りの前はなかなか熟睡できませんね。

翌朝、いろは渡船の駐車場に到着いたしますと車が6台ほど止まっています。
支度をしていますと、620分ごろに船長がやってきます。
「今日は風が強いので野地島方面だね」と言っています。
野地島でしたら、M君が「野地裏」という磯がおすすめと言っていたことを思い出しました。

今日の釣り人は14人です。
野地島方面だけですと、この人数ではいっぱい、いっぱいだと思いました。
私は船に乗った後船長に「野地裏2人、できればお願いします」といいました。

船はスローで目の前に見えている野地島に向かいます。
北西の風がかなり強く吹いています。
船が島まで来ると「上野山さん、この風でも野地裏に乗りますか」と船長が聞きます。
M君から「北西の向かい風でも野地裏は釣りができるよ」と聞いておりましたので、私は「ここに下ります」と船長に言いました。

我々は一番に渡船を下りました。
野地裏の船着きは平たくて釣りやすい場所です。
Fさんが私の左の少し高いところから釣り、私は船着きで釣ることにしました。

 

野地裏の船着き


天気は晴れですが北西の向かい風が吹いています。

港のほうから風が吹いてきて白波が立っています。
野地裏では後ろに岩があるためか、あまり風を感じません。
道糸を風に取られることも無いようです。
この場所は意外と釣りやすい場所だと思いました。

今日は久しぶりにアテンダーUの2号を使います。
道糸は3号、ハリスは35号を2ヒロ取ります。
ハリはザロックの7号。
2Bの小さなウキを遊動として,ウキ下3ヒロではじめます。
釣りを開始したのは715分ごろです。

1投目はゆっくりとウキが左に流れます。
10mほど流してアタリがないので仕掛けを上げますと餌がついています。

タナを30cmほど深くして再度仕掛けを入れます。
今度はオキアミの頭がとられます。
エサ取りがいるということは何か魚が釣れるでしょう。

5投目に3mほど流れたウキが押さえ込まれます。
ウキが30cmほど入って止まっていますので合わせますと、魚が掛かりましたが引きません。
ドンヨリと上がってきましたのは40cm程のイガミでした。

7時40分ごろに釣れたイガミ


イガミはハリをはずして放流いたしました。

あとでFさんはイガミを食べるといっていましたので、Fさんに持って帰ってもらえばよかったかもしれません。
その後は着けエサが齧られますがウキにはアタリが出ません。

潮はお昼ごろに満潮になるという潮です。
お昼までは左に流れると思いました。

ウキは5mほど流れますと潮に押されて沈んでいきますが、沈んだウキはかすかに見えていて合わせても空振りです。
何回か空振りの後ようやく魚が掛かりましたが、これは25cmほどのマルハゲでした。
この魚は磯クーラーに入れました。
カワハギがエサをとっているとなるとやっかいです。

8時過ぎになり1mほど流れたウキが入ります。
これはアタリと合わせますといい引きです。
グレかなと思いましたが、強い引きは最初だけで、あとはすんなりと上がってきます。
これは35cmほどのオオモンハタでした。

オオモンハタ35cm


釣れたオオモンハタは締めて氷を入れた磯クーラーに入れました。

ハリスに傷がついていましたので、ハリをくくりなおして釣りを再開いたします。

ウキは足元と少し沖とに交互に投入します。
オオモンハタは足元で釣れましたので足元が良いのかと思いました。
足元にウキを投入しますがしばらくはエサがとられます。

9時ごろになり私は竿2本ほど沖にウキを投げました。
エサをよく取られますので、ウキ下は3ヒロに戻しました。
仕掛けがなじんで2mほど流れてから沈んでいきます。
沈んでいくウキの速さが速くなりましたので、これはアタリと合わせます。

合わせた瞬間に竿が引き込まれます。
とっさにリールのブレーキを緩めて糸を出して竿を立てますが、竿を立てますと今度はスプールが逆転してジーと糸が出ます。
あまり糸が出ては根に擦れると思い、ドラグを締めて竿を起こします。
アテンダーUは限界まで曲がりますが、何とか魚の引きを受け止めています。

私は、この魚はグレではないと思いました。
引きにスピード感がないのでキバンドウの類でもないと思いました。
これは、もしかしてアオブダイの大型かもしれないと思いました。

魚が引き込みますと少し糸を出し、引きが止まるとリールを巻きます。
2分ほどやり取りをして、この魚は獲れそうだなと思いました。
リールを巻く糸の量が多くなったように思います。
やはりハリスが3.5号ですと心強いですね。

魚は寄ってきますがまだウキが見えないので、足元で突っ込まれないように用心します。
早く魚を見たいと急いで寄せてきて、痛い目を見たことが今まで何回もあります。
ユックリと寄せてきて竿を起こしますと、ようやくウキが見てきます。
ここからが大事です。

ウキは海面まで出てきました。
足元に魚が寄りすぎないように竿を沖に出しながら寄せてきますと、海の底に白い魚体が見えました。
あれ、これは青物だったかと思いましたが、海面に浮いたのは大きなイシダイでした。

イシダイはFさんにタモを入れてもらいました。
このイシダイはメジャーで測りましたら52cmでした。
縞が消えていて口の周りが黒い魚体でした。

 

イシダイ52cm

20年1月に武者泊で釣りました、イシダイの43cmが私の記録でしたので、大幅に記録更新となりました。
「ぐれねっと」ですのでイシダイを釣り上げても自慢できないところが残念です。

イシダイを釣り上げた後は又エサがとられる時間が過ぎていきます。
1時間ほど3ヒロ前後で釣りをしましたがグレは釣れません。
隣のFさんもグレは釣れずにアイゴを2匹釣っています。
私は久しぶりに晴れた日に磯釣りができ、大きなイシダイも釣りましたので、もう今日は満足といった気分でした。

やがて時刻は12時前になり、釣る時間はあと1時間半ほどです。
イサギでも釣れないものかと思い、タナを竿1本半ほどに深くしました。

竿2本ほど沖を深いタナで流していますと、ゆっくりと左に流れた仕掛けがなじんでウキが沈み始めて、一呼吸おいて速度が速くなります。
これはアタリと合わせますと魚が掛かりました。
掛ったのは35cmのアカハタです。
これは食べておいしい魚が釣れました。

 

12時過ぎに釣れたアカハタ 


魚を締めて磯クーラーに放り込んで再度仕掛けを投入しますと、またウキが入りアカハタが釣れます。

今度は少し小さくて32cmほどです。
その次も25cmほどのアカハタが釣れます。
この小さいアカハタは放流しました。
やはりタナを深くしますと根についている魚が釣れますね。

小さなアカハタが釣れたあとはアタリが無くなりました。
それでは足元を釣ろうと思い、足元に竿1本半の仕掛けを入れます。
足元に仕掛けを投入して3回目にウキが入り合わせますとかなり引きます。
魚はすぐに浮いてきましたが、これもグレではありません。
釣れた魚は35cmのフエフキダイでした。
放流しようと思いましたらFさんが持って帰るといいますので、この魚はFさんにもらってもらいました。

 

フエフキダイ35cm


その後エサがとられる状態が続き、1時20分になりましたので私は竿を置きました。

今日の釣果です

私はイガミ40cm(放流)、カワハギ25cm、イシダイ52cm、アカハタ35cm、32cm、25cm(放流)オオモンハタ35cm、フエフキダイ35cmでした。

Fさんはカワハギ1匹、アイゴ2匹に大型の魚が掛かってのバラシ2回でした。
二人ともグレは釣れませんでしたが、大型の魚が掛かりましたので楽しい釣りでした。
何よりも一日晴天の下で釣りができたことで気分が晴れました。

12月の釣行記に書きましたように、日本海の釣りでは、釣りの最中にアラレが降ったり、天気予報が外れて大雨の中の釣りとなり、寒くて手がかじかんで餌がつけられなくなったりと散々でした。
たとえ向かい風でも、晴れた日の釣りは最高でした。
まして持って帰る魚があるとなると釣り人冥利に尽きます。

港に到着してほかの釣り人の釣果を見ますと、野地島の船付きで47cmを頭に6枚グレが釣れていました。
グレが釣れたのはこの場所だけだったようです。

料金を払いに行くときに最近の様子を聞きますと「雪が降る前まではグレの食いは上向きで野地島では50cmのグレも釣れたけれども、雪のあとはあまり食わんな」ということです。
今年は12月に高知市でも10cmの積雪がありましたので、例年にないような寒い年なのかもしれません。
海には雪解けの冷たい水が入っているのかもしれませんね。

私は久しぶりにリールのブレーキを使うような魚とやり取りができて楽しい1日でした。
明日も野地島に行くのでしたら、今度は「フタゴ」に下りようと思いました。


TOP 釣行記index 次のページを読む