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 上野山さんからのリポート
 「OLEGAの呪い」

  泊 (福井県)
   2024/04/11

 



4月7日の日曜日はA級磯の「ヒナダン」で小さいチヌ1枚しか釣れませんでしたが、ボーズではありませんでした。

倉庫で眠っていた下山さんからいただきました、ダイワの磯竿OLEGA1.5号を使い魚も釣りましたので釣運は上向きではないかと思います。 

前回の釣行後に渡船屋の事務所の前で計測されていた44cmほどのグレを見て、これは今行かねばという思いはますます強くなりました。
船頭も「スズメダイが活発になる前が大グレを釣るチャンスやで」といいます。 

サンスイ釣り具の御主人と、間髪を置かずに9日の火曜日に釣りに行こうといっていましたが、9日は春の嵐でものすごい雨風の一日となり釣りは中止となりました。 

波が収まってきて、南風の吹く11日の木曜日に船が出ないかと大谷渡船に電話しました。
「今のところドンダケ波が残るかわからんので、出ても10時ごろや。それと一人ではよう渡さんで、二人いれば船を出すけど」との答えです。

私は9日にサンスイの御主人と一緒に行こうといっていたH君を思い出しました。
H君に「泊で10時ごろから夕方までの釣りだがどうや。日曜日は大グレも釣れているで」とマキエ電話を掛けましたら、「家の用事を確認しますので待ってください」と言って5分ほどして「行きます!!」と返事がありました。 

10日の水曜日に確認の電話を大谷渡船にしましたら「上野山さん以外に10時で出る人はおらんわ」と船長がいいますので、すかさず「もう一人見つけました。昨年4回ほど大谷渡船に行っているH君と二人で行きます」と船長に言いました。
「船長も二人なら出す」といっていたので、これで明日は釣りができることになりました。
いつもより4時間ほど釣る時間が短いので、サンスイには二人でオキアミ3枚を頼みました。

H
君と合流して8時20分ごろ敦賀を出発しました。
H君は四国では40cmオーバーのグレを釣っているそうですが、若狭では30cmほどのグレしか釣っていません。
若狭で40cmオーバーのグレを釣るのが目標ということです。 
H君は、昨年グレらしい魚を2回、泊の「長崎」でバラしたということですので、かなり大グレに近づいてきているのではないでしょうか。 

9時20分ごろに渡船屋さんにつきました。
船長が出てきて「エライ早いな」といいますが、我々は少しでも早く竿を出したいという気持ちです。

我々は9時40分ごろには港を出ました。
沖に出ますと、少しウネリが残っているようです。
今日は南風が強いようです。

「シマッタな。これなら今日は朝から船を出せたな。もっと予約を聞いとけばよかったわ。このあと南東の風になるということなので風が当たらんところに下りようか。どこでも釣れるとなると迷ってボーズもあるで」と船長が言います。 

H君にどこがいいと聞きますと、昨年バラした場所にも下りたいようですが、普段下りられないA級磯にも食指が動くようです。
後で聞きますと彼はまだ泊の磯の名前を憶えていないようでした
結局H君が「ヒナダン」、私が「千畳の船着き」という泊の大グレの実績十分の超A級磯で釣ることになりました。 

「ヒナダン」に下りるH君は、「ぐれねっと」の最新の釣行記を熟読しているということですので、場所の雰囲気はわかっていることでしょう。
「足もとから右はドンブカですよ。左に流れたらシモリの周りで釣って」とアドバイスします。 

私は「ヒナダン」を回ったところにある超A級磯の「千畳の船着き」に下りました。
この磯は平たくて釣りやすい磯です。

 

千畳の船着き


今日はマスターモデルで始めます。
道糸2.5号、ハリス2.5号を2ヒロ、ウキは小粒の3Bにグレバリ7号です。

釣りを始める前に1号オモリつけて深さを測ります。
足もとは4ヒロ立ちませんが、少し沖では竿2本以上です。
この場所も、竿1本ほど先から急に崖のように深くなっているのですね。

足もとのシモリは後ろの山から落ちてきた岩ではないかと思われます。 
うっすらと足元の左側にシモリ根が出ていますのでこの周りがポイントかもしれません。
船頭さんは足もとを釣れと言っていましたが、そうなると4ヒロ弱です。
沖は竿2本以上ですので、また釣るタナを考えてしまいます。 

釣りを始めましたのは10時過ぎです。
潮がユックリと左側に流れますので、私は船着きの左側を竿1本半弱で釣ることにしました。

1投目はオキアミの頭がとられています。
これは釣れるかもしれないと思います。 

荒れた後のためか潮は濁っています。
チヌが釣れそうな潮の色だなと思いました。
強い南東の風が時折あたり、ウキが風に押される感じがしましたので、ハリスにジンタン5号を打ちました。 

6投目くらいでしょうか、仕掛けがなじむと同時にウキが入ります。
掛かった魚は頭を振ります。
タモに入ったのは36cmのチヌでした。

このチヌは活かしバッカンに入れました。

 

10時半ごろに釣れたチヌ 36cm


マキエを正面と左側に打ちますが、正面ではエサがとられますがウキにアタリが出ません。

やはり左側がポイントでしょうか。
左側も崖のように深くなっているようです。

オキアミの頭がとられますので、ウキ下を40cmほど浅くして左側を流します。
11時前に流れていたウキが止まり、スーと入ります。
これはアタリと合わせますと魚が掛かりました。
チヌのように頭を振りません。
これはグレかもしれないと思いました。

すんなりと海面に浮いたのはグレです。
ですが見た目は40cmありません。
タモに入ったのは、35cmのグレでした。

この3回の釣行では木っ端グレも釣れませんでしたが、シーズン初めてのグレは35cmでしたので、まずまずの大きさです。
グレを釣るのは昨年の11月以来です。

 

11時前に釣れたグレ 35cm


もう1匹グレが釣れないかと投入しますが、その後はチヌもグレも釣れません。

何も釣れない状態が続きます。
エサが残りますのでタナを深くしますがエサがとられません。

やがて1時前になり私は昼食用に買ったパンを食べて休憩しました。
休憩のついでに午前中使ったマスターモデルをしまって、午後からがまかつの竿に入れ替えようとおもいました。

マスターモデルを片付けて竿袋に入れます。
竿袋から午後に使用する竿を出します。
竿にはリールとウキまで取り付けてあります。

竿のキャップを外しますと、トップガイドと2番3番のガイドがキャップと一緒についてきます。
「エッこれは!!」とビックリして、一瞬見なかったことにしようかと思いました。
現実は穂先が折れているということです。
まだ使う前から竿の穂先が折れているということは、今まで経験していません。
グレを釣った代償としては大きすぎます!!
これは長年磯に連れて行かなかったOLEGAの呪いは収まっていなかったということでしょうか。

なんと、今年は磯釣りに4回来て3回も穂先を折っています。
竿を折らずに無事に釣りができたのはOLEGAを使った前回だけでした。
しかも今回は竿を出すこともありませんでした。
しばし呆然としました。

私は今回4号の道糸を巻いたスプールを予備にもってきていました。
なぜに4号かといいますと、渡船屋さんのホームページに「沖に走られてのバラシ続出」とあったからです。
沖に走ってのバラシなら大型マダイか、大型カンダイが考えられます。
私はそれらの大物が来ても対応できるように道糸4号、ハリス3号は用意してきました。
まあ60cmくらいの魚なら大丈夫でしょう。
80cmになりますと運次第ですが。

気を取り直して、私は竿袋にしまったマスターモデルをもう一度取り出し、道糸4号、ハリス3号で仕掛けを作り直しました。

1時20分に釣りを再開します。
再開して3投目でウキがユックリと入ります。
ウキが見えないくらい入ってから合わせを入れます。
掛った魚は結構引きます。
ハリス3号にものを言わせて竿を立てますが、竿がのされそうになります。
船着きの根のほうに走りますので逆方向に竿を倒して魚を止めます。
今回は頭を振らないので、手ごたえからしてこれは40cmオーバーのグレだと思いました。

水面にウキが出て魚が見えてきました。
もう少しでゴールです。
しかし、見えてきた魚は銀色です。
タモに入ったのは44cmのチヌでした。
今の時期のチヌはよく引きますね。

 

チヌ44cm よく引きました


チヌを生かしバッカンに入れてボイルのオキアミをつけて再度同じ場所に投入します。

すぐにウキが入り今度は35cmのチヌが釣れてきます。
2匹連続でハリス3号の太い仕掛けにチヌが食ってきました。
魚の食いがたつとハリスの太さは関係ないのでしょうね。

この後、またエサがとられなくなりました。
左に投げるとエサが残り、正面沖に投げるとウキが沈まずにエサがとられることになります。
ウキ下を浅くしたり深くしたりしましたが、ウキにアタリは出ません。

そのうちに沖にあった潮目が急に近づいてきて、ウキが手前に寄ってきます。
根掛すると3号ハリスを切ることになりますので、仕掛けを上げて左側にウキを入れました。
磯の左側はそうアテてこないようです。

アテ潮が少し緩んで潮目が離れたときにウキが入ります。
今度も頭を振る引きですが、そう引きません。
難なく海面に浮いたのは40cmほどのチヌですが、真っ黒で弱っていそうです。

タモにはいったチヌを見ましたら片目がつぶれています。
片目でも生き延びて、今回オキアミを食ってきたのだと思います。
このチヌはすぐに放流しました。

この後は風が強まり寒くなりましたのでカッパの上を着ました。
このチヌを釣った後は終了の4時半までウキは入りませんでした。

今日の釣果はグレ35cm、チヌ44、40,36,35cmの4匹でした。
釣果を見ればまずまずですが、チヌが釣れない間はエサが残りました。
何も釣れない時間が結構長かったです。
フグも釣れませんしスズメダイも浮いてこないので水温はまだ低いのかもしれません。

道具を片付けてH君に電話しますと、44cmのチヌは貰うということですので、うちの分で35cmのグレと35cmのチヌを持って帰りました。
36cmのチヌは放流いたしました。

迎えの船にのり「ヒナダン」のH君に「どうやった」と聞きますとグレ30cm1匹とチヌ40cm切れるくらい1匹ということです。
シモリの向こうで大きな魚が掛かって、竿を立ててこらえていえるときにハリが外れたということです。
手ごたえからするとグレと思うということです。
魚が掛かったあと少し糸を出して竿が立ち、魚がシモリを回ってきた時は思わず「ヤッター」と叫びましたといいます。

私は「ヤッターというのは魚をタモに入れてから言わなくては」とH君に言いますと、「40cmのグレを釣り上げるにはあと4年ほどかかりますかね」と神妙に今後の修行を誓うH君でありました。

彼は50cmのチヌを今年釣っていますので、チヌの引きとグレの引きはわかるでしょう。
今回はもう少しというところまで来ました。
しかし、泊の40cmグレのハードルは高いですね。

今回二人ともに泊の超A級磯で釣りましたが、やはり実績のある磯では魚が釣れますね。
H君は悔しくて眠れないことでしょう。
彼は帰りの車の中では「大グレを釣るまで泊に行きます」と言っていました。
きっと何回もバラしたシーンを思い出すことでしょう。

私は今回ようやくグレが釣れて「ぐれねっと」の釣行記として恥ずかしくないものが書けました。
今回は皆さんお待ちかねの「グレが釣れた」という釣行記となりました。
でも、ホンマはボーズを期待されている方のほうが多いでしょうか?

帰り道で、同行のH君は「やっぱり下山さんの竿でグレを釣らないと穂先が折れる呪いは解けないのではないですか」と言っています。
私もそんな気がいたします。
次回は最初からOLEGAを使って、木っ端グレでいいからグレを釣ってOLEGAの怒りを鎮めたいと思いました。



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