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上野山さんからのリポート
「カンダイの恩返し」
舞鶴の野原 (京都府)
2024/04/19
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3月末から立て続けに5回泊に釣行しておりますが、なかなかグレは釣れません。
なんとかチヌとかカンダイが釣れるので丸ボーズではないという釣りです。
前々回の釣行「OLEGAの呪い」の時に同行して大物をバラしたH君ですが、その5日後に再度サンスイ釣り具の御主人と泊に釣行して両名ともにボーズということでした。
エサがとられないということですので、どうも冷たい潮が入ってきているのではないかと思われます。
H君はボーズでしょげていると思いましたら、その週の金曜日にも泊に行くということです。水曜日の昼に私に一緒に行きませんかと電話がありました。
私は毎週の釣行でやや疲れてきていましたので、どうしようかと思いましたが、今しか大グレを釣るときはないと思い金曜日の釣行を約束いたしました。
ところが前日の木曜日の朝にH君から電話があり、金曜日は波が出るので渡船は中止ということです。
金曜日は休みを取りましたので山歩きにでも行こうかと思いました。
疲れていますので地磯に歩いていく元気はありませんでした。
すると、3時ごろにFさんから電話があり「明日、野原は船が出るかもしれんので野原に行かんか」ということです。
「明日、泊では船は出ませんよ」といいますと「野原の岩崎渡船の話では、夕方に出船するかどうか決めるそうや」ということです。
私は「船が出るのなら野原に行きましょう」とFさんに言いました。
夕方Fさんから連絡があり19日の金曜日は野原の岩崎渡船さんは出るそうです。
船が出ますので野原に予約をお願いいたしました。
野原までは敦賀から2時間ほどかかります。
出船は5時半ということです。
5時前に野原に到着することを考えますと、2時半にサンスイ釣具を出発することにします。
金曜日の朝サンスイ釣り具の前でFさんに会いますと「一睡もできんかった。1時に起きようと思って8時に布団に入ったけれども寝れんかった」といいます。
私は9時に布団に入りましたが、何とか3時間ほどは眠れました。
しかし連日の釣行で体は疲れています。
2時半に私の運転で野原に向けて出発いたしました。
私は昨年野原の「アレスのチョボ」に下りて34cmの尾長グレを釣っています。
釣行記No303「はじめての磯で釣果があった」
今日は北風が吹くということで寒いかもしれません。
最近釣れないので、ゲンを担いで冬用の緑のがまかつ帽子を持って出ました。
敦賀を出て2時間ほどで野原の岩崎渡船さんに到着します。
乗船名簿を書いて待合室で休んでいますと船長が入ってきました。
「昨日は野原のイシダイの記録を塗り変える大物が出たわ」といいます。
なんでも、シマノのインストラクターをされている平和さんが、1号の竿、道糸2号、ハリス2号で67cmほど(すみませんサイズは細かく覚えていません)のイシダイを釣り上げたということです。
「45cmほどのイシダイも釣っているし、チヌは10枚以上釣ったし、グレの35cmほどのも何枚か釣ったそうや。DUELの撮影で来ていたということやさかい、いい絵が撮れたと思うで」と船長はいいます。
「今日は思ったよりも波が出ているわ。きのう野原の主みたいな魚釣ったせいかもな」と船長は言います。
しばらくして平和さんが入ってきました。
シマノのホームページで見た方です。
「おまえ、アンナン釣るから神さんが怒って波が出たで」と船長が平和さんに向かって冗談を言います。
やがて5時半前になり皆さん待合室を出て船に向かいます。
今日は金曜日ですが釣り人は20名ほどいます。
港を出ますと北風が当たってきます。
白い風波もたっています。
波は1.5m近くあるでしょうか。
ウネリもあって船はかなり揺れます。
昨日の天気予報では波の高さは1mのち50cmでしたが大外れです。
「この船やからこの波でも出られたな」という声が聞こえてきます。
大ウネリの中を船は渡船区の一番端にあります「三崎」に着けます。
ここは平和さんたち二人が下りられました。
何とか付けられそうな磯に釣り人を2人ずつ下ろして船は港のほうに戻ります。
「地ヒンデ」には3人下ります
我々は、だいぶん戻ったところにあります「カモグリ」に下ろしてもらいました。
「ここでしばらくやっていて。波が収まったら移動するよ」と船長が言います。
我々の場所は北風が当たらない足場の良い場所です。
大ウネリの中の磯着けを見ていたのでホッとします。
「この場所は足場もよくて年寄り向けの場所ですね」とFさんに言います。
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カモグリの釣場
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カモグリは大きな独立磯で、3組がここで釣りをします。
今日の仕掛けです。
竿はマスターモデル尾長M、道糸2.5号、ハリス2号、グレバリ7号です。
3Bのウキを使い、ウキ下は4ヒロで始めます。
船着きに私、サラシが出るほうにFさんが入ります。
足もとにマキエを打ちますとゆっくりと陸のほうに流れます。
2投目にオキアミの頭がなくなっています。
これは何か釣れそうです。
5投目にゆっくりとウキが入ります。
合わせますと掛かりましたがあまり引きません。
釣れたのは20cmほどの木っ端グレです。
次はベラが釣れました。
まあ、木っ端グレが釣れるのなら大型が来るかもしれないと思いました。
8時ごろになりFさんが40cmほどのチヌを釣りました。
続けてサラシの出ているところでウキが入って32cmのグレを釣りました。
「こっちのほうが釣れるので場所を代わろう」とFさんが場所を代わってくれました。
場所を交替してもらって5回ほど投げますと足元でウキが入ります。
合わせますと魚が掛かりました。
中々いい手ごたえですが頭を振ります。
上がってきたのは44cmのチヌでした。
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8時半ごろに釣れたチヌ 44cm
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釣れたチヌは活かしバッカンに入れておきます。
時刻は9時ごろになりましたが北風はやみません。
時折大きなウネリが押し寄せてきます。
「今日はこのままこの場所かもしれんな」とFさんが言います。
休憩がてらおにぎりを食べましたら急に眠くなってきました。
チヌを1匹釣りましたのでもういいかと思い、私は磯に寝転んで眠りました。
30分ほど眠って少しすっきりとしました。
Fさんにどうかと聞きますと「なにも釣れない」ということです。
私が寝る前あたりから、サシエのオキアミが残りだしていました。
オキアミが冷たく感じましたので、また冷たい潮が入ってきたのではないでしょうか。
私は釣りを再開いたしましたがエサがとられません。
時刻は12時前になりました。
渡船が近づいてきました。
「Fさんたち、磯を変わるのなら準備して」と船長が言います。
これはチャンス到来です。
急いで道具を片付けて渡船に乗り込みます。
船は平和さんたちが釣りをしている方向に向かいます。
渡船で場所替わりをしたのは我々だけのようです。
何ともありがたいことです。
われわれの釣り場所は平和さんの正面の磯です。
我々の下りたのは「小三崎東」という磯で、平和さんの釣っている「三崎」とは100mほどしか離れていません。
相手が釣ったかどうか、タモを入れたかどうかなどは見えます。
シマノのインストラクターの前で釣るのは気後れしそうですが、向こうも撮影に集中していてこっちなど見ていないだろうと思い、構わずにいつもどおりの釣りをすることにします。
船長は「狭いけどガマンしてやってみて。船着きの方向と、磯の裏側でも釣れるよ」といいます。
我々の場所は目の前に根が出ていて取り込みが難しそうな磯です。
一人は根の上から釣ることになり、もう一人は横から出ている岩をかわして釣ることになります。
Fさんに頼んで釣りのしやすい場所でやらしてもらいました。
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小三崎東の釣場 足もとに根がある 1mほどのタナで釣る
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磯を移動する前に仕掛けを切りましたので、この場所ではリールの道糸を同じ2.5号の別のスプールに変えます。
ハリスは2.5号としました。
沖のほうで掛ったほうが根をかわして取り込めると思い、20mほど沖を釣りますがエサが残ります。
私は足もとのほうが釣れるかもしれないと思いました。
ウキ下4ヒロで足元の根の周りを釣ることにします。
ウキが入ると根を挟んで魚と引き合いになりますのでウキに集中します。
12時40分ごろになりウキが入ります。
合わせますと魚が掛かりました。
糸を出すほどの引きではありません。
頭を振らないのでグレだと思いました。
ですがリールを巻いていますとブルブルといった引きが伝わります。
この引きは何だろうと思いましたら、上がってきたのはシマダイでした。
シマダイは根の左側に走ってくれたのですんなりと浮いてきました。
タモに入りましたのは35cmのシマダイでした。
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シマダイ35cm
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シマダイが釣れたあとはまたエサが残ります。
Fさんは木っ端グレを3匹釣っていますので、魚はいるようです。
目の前を海藻などのゴミが行ったり来たりします。
ゴミが離れていったときにウキが入ります。
やはりアタリが出るのは足もとの根の際です。
竿を手前に引かないようにして軽く合わせますと今度は強い引きです。
竿を起こす分だけ糸を出してあまり竿を立てないようにしてやり取りをします。
掛った魚は頭を振りながら根の向こう側に竿を引き込みます。
マスターモデルは柔らかい竿ですが、ここぞというときには耐えてくれる力があるようです。糸を出さずに堪えていますと魚が根の向こうに見えてきました。
掛ったのは大きなチヌです。
このチヌも根の左側に誘導してFさんにタモを入れてもらいました。
「重いチヌやな」と言いながらFさんがタモを縮めて渡してくれます。
このチヌは50cmあるようですが、食べてもまずいと思い放流しました。
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1時半ごろ釣れたチヌ50cm
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チヌが釣れたあとはまたエサが残ります。
向かい側の平和さんもタモを入れていますので何か魚は釣れているのでしょう。
Fさんは木っ端グレを釣った後はグレが釣れないようです。
Fさんは沖のほうを釣っているようです。
私も20mほど沖にもウキを入れてみますが沖ではアタリは出ません。
私はいつもウキを投入して1回マキエをしていますが、平和さんはウキを投入して、3回くらいマキエを打っているようです。
トーナメンターはこうしてやるのかと思い、私もウキを投入して3回ほどマキエをしますがアタリは出ません。
でも、この釣り方ではいつもの3倍ほどマキエがいりますね。
やはり根の際がポイントかと思い、根の際にウキを投入します。
エサは残ってきます。
2時半ごろに根ぎりぎりに浮いていたウキがスッと入ります。
チヌよりもウキの入るスピードが速かったです。
合わせますと止められない引きです。
ブレーキを解除して糸を出します。
竿は左側に倒します。
魚の走るのと逆方向です。
この動きは今まで何度もバラして学習していますので自然とできました。
ブレーキ解除でビューンビューンとリールが逆転します。
魚は陸に向かって突っ走ります。
私は竿を立てないようにして寝かしてやり取りしました。
「オッ大きいのが掛かったな」とFさんが言います。
掛った魚は横に引きますので「もしかしたらボラの大型かもしれません」といいました。
掛った魚は陸向きに走り、糸の角度から見て30mほど先の根の間にいるようです。
魚が止まりましたので竿で起こしてみます。
少し寄ってくるように思いました。
魚が動きますのでそのまま竿で起こしてリールを巻きます。
根の右側で魚が浮いたように思えました。
竿で起こした魚が横の根をかわしたので竿を立てます。
もうそんなに魚は引き込みません。
「オッこれはカンダイや」とFさんが言います。
足もとに寄ってきたのは大きなカンダイです。
足もとには大きな根がありますので取り込みが難しいです。
掛ったカンダイは根の上に来てしまってタモが入りません。
波が来るたびに根の上を行ったり来たりします。
これは根の左側まで魚を引っ張らなくてはならないかと思いました。
しかし何とかFさんが根の上で、波が来たタイミングでタモを入れてくれました。
「ハリス2.5号でしたので捕れました」とFさんに言いました。
いままでカンダイを釣るたびに「大きくなって釣り人を振り回せよ」といって放流していましたが、釣り人を振り回すサイズが掛かってきました。
「カンダイの恩返し」でしょうか。
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カンダイ53cm よく引きました
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Fさんが記念にカンダイを持っている写真を撮ってやるというので私は魚をもって写真を撮ってもらいました。
後で写真を見ましたら右後ろに冠島が写っています。
今日は何とも素晴らしいロケーションの中で釣りを楽しみました。
私はトーナメンターの向かい側で記念写真など撮りました。(カンダイですが・・・)
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素晴らしいロケーションの釣場でした 久しぶりの緑の帽子
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このカンダイの後も根の際ではアタリが出ました。
その後はチヌの44cm,46cmを釣ましたが,持って帰るチヌは1匹でよいと思い放流いたしました。
たくさん釣りましたので3時前になり私はFさんと場所を交替しました。
だいぶん風が収まってきましたので、私は記念写真の後ろ側の磯の低いところで釣ることにしました。
ウキ下は3ヒロほどです。
30分ほどやってみましたがエサは取られません。
飲み物を飲んで休憩して、Fさんに聞きますと場所を交替してからは釣れないということです。
私はまた低い場所に戻って釣りをしました。
戻った後の1投目にエサがとられました。
これは希望が出ます。
エサを着けなおして仕掛けを投入してマキエを打ちます。
仕掛けがなじんだ頃にウキが入ります。
合わせますと魚が掛かりましたが強烈な引きではありません。
上がってきたのは最初に釣ったのと同じくらいの大きさのシマダイです。
この魚を釣って私は竿を片付けました。
Fさんはこの場所では木っ端グレ3匹しか釣れなかったということでした。
もう少し早く場所を代わればよかったと反省いたしました。
迎えは4時半ということでしたが、船は4時頃に来て沖で待っています。
最初に平和さんたちが船に乗りました。
私たちは平和さんに道具を受け取ってもらいました。
「タモを入れていたようですが、何が釣れました」と聞かれて「カンダイの53cmにチヌの50cmなどです、シマダイも釣りました」と私はさりげなく言いました。
「今日グレは釣れましたか」と平和さんに聞きますと「今日は35cmまでくらいですね」と言っていました。
平和さんは気さくな方に思えました。
私の釣果はカンダイ53cm、チヌ50、46、44cm2枚、シマダイ35cm2枚でした。
これでグレが釣れればいうことなしでしょう。
Fさんはチヌ40cm1匹にグレ32cm1匹でした。
カンダイはFさんが食べるというのでシマダイ1匹と一緒に貰ってもらいました。
最初は北風が強くてどうなることかと思いましたが、私はいい釣りができて楽しかったです。帰りには舞鶴の釣具屋さんによってFさんと5月の冠島釣行の予約もしました。
鬼嫁からは「ラストスパートが速すぎると金が続かんで」と言われていますが、何とか気力体力があるうちに磯に立たなくてはと思うのでありました。
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わが家のオカズ用の魚
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