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 上野山さんからのリポート
 「令和7年の初釣り 1日目」

  熊野 (三重県)
   2025/01/03

 


令和7年の初釣りは、Fさんと熊野の川崎渡船さんでの磯釣りとなりました。
私は過去3回、ゆたきち師匠と熊野に釣りに行っておりますが、なんと1匹もグレを釣っていません。
小さいイサキやアイゴ、サンノジなどは釣っていますが、糸を切られるような大物にも遭遇しておりません。
最後に行ったのは釣行記NO185「ウキ取りパラソルが唯一の釣果」、時期は2014年7月ですので、このタイトルからも釣れなかったことがわかるでしょう。
熊野では渡船を下りますとグレを釣っている方もいますので、なにか釣りかたが違うのかもしれません。

この相性の悪い鬼門の熊野に、なぜに初釣りで行くことになったかといいますと、2年ほど前にFさんが友人と川崎渡船に行ってグレを釣ったことがあるからです。
Fさんは糸を切られるバラシもあって、熊野はまあ釣れる釣り場と思っているようです。

年末に川崎渡船さんに連絡を入れて仮眠所もお願いして、1月3,4日の2日間の釣となりました。
現地の天気は2日間とも晴れで、北西の風が吹くようですが、熊野は背後に山がある場所ですので風はそう当たらないのではないかと思います。

我々は2日の午後4時ごろに敦賀を出て、関ヶ原を通りぬけて鈴鹿まで下道で行き、鈴鹿から高速道路に乗りました。

熊野まで高速道路が伸びたこともあり、9時前には川崎渡船に到着いたしました。
Fさんが出船時間を確認しましたら6時には船のところに来てくださいということです。

我々は仮眠所で10時ごろには布団に入りましたがなかなか眠れません。
うつらうつらしているうちに4時半になり身支度を整えました。


食事を済ませて6時10分前に港に到着しますと車がいっぱいです。
磯釣りの格好をしている方が「先にマグロのルアー船が出ました。マグロ釣りのお客さんで車がいっぱいなのですよ」ということです。

我々はなんとか隅のほうに車を止めるスペースを見つけて駐車しましたが、あとからも車はどんどん来ます。
なかには地磯での釣りをする方もいるようです。

この方たちは鬼ケ城のほうに向かって岩場を歩いていきます。

この日は18人ほどの釣り人が船に乗りました。
船は6時15分ごろに港を出ます。
少し走ってもう1艘の船が近づいてきますといきなりスピードを出します。
磯渡しの最期のほうで我々は4人でスズコに渡してもらいました。
我々と反対側にも2人下りたようです。 

スズコは沖合にある島で熊野ではA級磯のようです。
A級磯に下りたからグレが釣れるというわけではないでしょうが、なんとなく釣れそうな感じはします。

 
 スズコ

一緒に下りました2人組に「どこで竿を出しますか」とFさんが聞きますと、船着き周辺が希望のようですので、われわれは荷物を持って30mほど移動しました。

この磯も柱状節理の岩ですので、岩の段差があり荷物を運ぶのに大汗をかきます。
初めての磯ですのでどこで釣ってよいかわかりませんでしたが、とりあえずバッカンを置く場所と釣る場所は確保しました。

私の釣場は高くて足もとから少し根が出ていますので、大きい魚が掛かったら下に降りてタモを出さなくてはなりません。

この磯は全体に根が出ていてなんとも取り込みにくい磯です。
Fさんは私の左隣のもう一つ高いところから竿を出すことにしました。
荷物を運んで釣り場所を決めるのに30分ほど掛かってしまいました。

満潮が8時半ですので、満潮に向かってだんだん潮が高くなるようです。
時折大きなサラシが足元から出ます。

 
左隣で竿を出すFさん

今日は生オキアミ2枚に集魚剤1袋、着けエサはMサイズのボイルのオキアミとしました。

今日の仕掛けです
竿はマスターモデル尾長Mに道糸2.5号,ハリス2.5号、ハリはグレバリ7号、ウキはピースマスターの2Bとしました。
道糸とハリスは直結しました。
ウキ下は竿1本で始めます。

足もとに根が出ていますので、ウキを竿2本ほど沖に投げます。
仕掛けがなじみますとウキは早く右前に流れていきます。

どこまで流れるか糸を出していますと沖のほうでウキは潜っていきます。
50mほど流してリールを巻きますと、右前の沖からウキが出てきました。
オキアミはついています。

この釣り方ですとどこでマキエが効くのかわかりません。
足元は根が張り出していますので少し沖にまたウキを投入します。
タナは60cmほど深くしました。

今回もウキを50mほど流します。
またエサが残ります。
Fさんもエサがとられないといっています。
私は少しずつタナを深くしていきましたが竿1本半近くでようやくオキアミが齧られました
このタナでずっとやっていては道糸にヨリが掛かると思い、私は道糸のつなぎ目にサルカンを挟みました。

私は少し手前もやってみようと思い、右沖に投げたウキを引き戻して流しました。
するとウキが沈みます。
アタリかと思い合わせましたが根掛でした。
私の釣場の右前には根が水中に出ているようです。
道糸から切れてしまい、ウキ取りパラソルを使いましたが上手くウキは掬えませんでした。

仕掛けを作り直していますとFさんが、「わしも前回ここで釣りをしたときに、あの辺で根掛したわ」といいます。
そんなもん最初に場所を決めるときに言ってほしかったわと思いました。
この釣り場は深いタナでやるならば沖を釣らなくてはいけないようです。
その後も3回ほど根掛をして仕掛けを作り直しました。

何も釣れないまま時刻は11時ごろになりました。
潮は朝と同じように右前に流れます。
時折サラシに押されて真っすぐ沖にウキが出ますが、その後は右に流れて行きます。
この磯は沖にありますので昼前になり山を越えた風が当たってきます。
風が吹くと寒く感じますが、風がやみますと日差しがきつくて暑いくらいです。
レインウエアーのチャックを上げ下ろしして風に対応します。

私は風でウキが素直に流れないと思い、ハリスにオモリを打ってウキを沈めることにしました。着けエサはたまに齧られます。

Fさんはベラを2匹釣っただけです。
「マキエを打つとグレが見えるので、魚はいるけれども食ってこない」といいます。

私はまた根掛してハリスを張りなおすときに2.5号から2号に落としました。
今日は根掛を5回ほどしています。
まあ釣れないので座ってハリスを直すのもゆっくりできますが。

アタリがないまま時刻は12時となりました。

沖に投げて沈んだウキを回収しようとリールを巻きますと糸が張ります。
オヤッまた根掛かと思いますと魚が掛かっています。
掛ったのは走り回るような魚ではないですがなかなか重いです。
Fさんに「今日初めて魚が掛かりました」といいますと、竿の曲がりを見てFさんはタモを用意してくれました。

魚が寄ってきましたので私は磯を降りて道糸が根に当たらないようにしました。
ウキが見えましたのでもう少しというところでバラシです。
ハリのチモトから切れていました。
いったいどんな魚だったのでしょうか。
Fさんが「以前ここで釣りをしたときに同じ様にウキが見えてからハリスから切られた」といっています。
掛った魚はいったい何だったのでしょうか。

ハリをくくりなおして竿2本ほど先にウキを投入してマキエを打ちます。

仕掛けがなじんでウキが沈み始める前に一気に見えなくなります。
合わせますと竿が引き込まれ、ドラグを緩めに調整したリールから糸が引き出されます。
これはキバンドウのような引きではないかと思い、竿を反対側に倒しますが魚は止まりません。
竿が弓なりになって引き込まれ真っすぐになりそうになり、これはアカンとブレーキを緩めて糸を出しますが、魚は左側に走っていきFさんの足もとまでいきます。
私は何とか磯を降りて竿を沖側に出しますが、もうこれ以上左に走ったら根でこすれるというあたりで魚が止まりました。

オッと思い竿を倒しながら魚を寄せると割と素直に魚は寄ってきます。
うっすらとウキが見えてからも魚は右に左に走りますが、これは取れそうな感じです。
ハリス2号ですのでつい弱気になって、竿が海に突っ込みそうになるとブレーキで糸を出したりしましたが魚は寄ってきました。

「なんか銀色の魚やな。グレではないわ」とFさんが言います。
私も最初の爆発的な引きからグレではないと思っていました。

海面に浮いてきたのは一瞬チヌかと思いましたが良型のヘダイでした。
Fさんの出してくれたタモに入ったヘダイは46cmほどです。


ヘダイ 46cm よく引きました 写真で見ると尾びれが大きい

ヘダイは写真を撮って生かしバッカンに入れました。
このサイズのヘダイを釣るのは初めてですが、チヌと比べるとはるかによく引きますね。
尾びれが大きいので最初に爆発的な引きをするのでしょうか。

とりあえず魚を1匹釣り上げましたので私はもう満足という感じでした。

8時前ごろに釣りを始めましたので、最初の1匹まで4時間以上かかりました。
何かの拍子で魚がアタリだすのが釣りですね。
急に魚がアタッタ時に確実に取り込むかバラスかは、経験と技術の差なのかもしれません。
今回は掛かった魚が止まってくれたので、私に運もあったと思います。

ハリをくくりなおしてエサを投入すると、今度はアタリがありませんがエサがとられています。
次に少し沖にウキを投入しますとウキが沈んでから道糸が走ります。
合わせますと魚が掛かりましたが竿をたたく引きです。
今度掛ったのは30cm弱のアイゴです。


12時過ぎてから釣れたアイゴ

1時過ぎには道具を片付けなくてはいけないというので、釣る時間はあと30分ほどです。
12時まで釣れなくてダラダラと釣りをしていましたが、魚が釣れて急にやる気になりました。
ウキを近め、沖目と投入しますが、エサは取られますがアタリは出ません。
Fさんはウキ下を1ヒロとしてマキエに出てくる魚を狙っていますが、こちらは食ってこないようです。

やがて1時を過ぎましたので我々は竿を置きました。

今日は私に3回アタリがあり2回をものにしました。
Fさんはベラ2匹ということでした。
ヘダイはおいしいというので締めて持って帰りました。

港に帰って検寸しますと6人ほどの方がグレを釣っていました。
出されたグレの最大が40cmほどでしたので、魚のサイズだけでは私が今日一番なのにと思い魚を出しました。
船長さんが検寸台で測ったところヘダイのサイズは46.3cmということです。

グレは釣れませんでしたが、雲一つない青空のもとで半日磯の上にいましたので、楽しい釣りをさせていただきました。
久しぶりにジーというスプールが逆転する音も聞きましたし、ブレーキを使って魚とやり取りをしました。

今日の教訓は「釣れなくてもあきらめずに時間いっぱい釣りをしろ」ということでしょうか。
明日に期待です。


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