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 上野山さんからのリポート
 「久しぶりの尾長グレの引き

  神津島 (東京都)
   2017/03/18

 


昨年4月に神津島に連れて行っていただいたFさんと、3月18,19日と泊まりがけで再度の神津島に挑戦をしてまいりました。

前回は大型尾長グレという夢に挑戦したというだけで、尾長グレらしいアタリは私が最後にバラシタ1回だけということで、「やはり現実は厳しいね」ということでありました。
チャレンジは誰でもできるけれども、大型尾長グレを手中に収めるというのはやはり入念な準備と限りないバラシをして授業料を払わないと、たどり着けるものではないなと思いました。

さて、私は今年の初釣で釣行した武者泊の2日目に51cmのクチブトグレを釣りましたが、次はやはり磯の上物師最大の目標の尾長グレを釣り上げたいと思いました。
ぐれねっとの釣行記を見てみますと50cmの尾長グレを釣り上げましたのは03年1月のぐれねっとの釣行記NO66「沖ノ島1日目 オナガの50cm」で14年も前です。
この時は下山さんと2泊3日で四国に釣りに行きました。
その後は07年2月のNO128「豪快な沖ノ島アタリ」で40cmのオナガグレを釣ったのが最後です。
もう10年も40cmオーバーの尾長グレは釣っていません。
私の磯釣り人生の残された時間もそう多くは残っていませんので、是非とも尾長グレに出会いその鋭い引きを味わいたいと思った次第です。 

前回と言いましても14年前に50cmのオナガグレを釣り上げたときは、がまかつのグレスペシャルという2号の竿に道糸、ハリスは5号でやりました。
万全を期して今回もアテンダーU、2号に道糸4号、ハリス5号で臨もうと思いました。 

前回お世話になりました賀寿丸渡船にはFさんが予約を入れてくれました。
天候は2日間とも晴れで高気圧が張り出して北の風が吹くようです。

18日はFさんと午後7時に三水釣具店で待ち合わせをいたしました。
三水釣具店では2日分のエサとして生のオキアミ4枚に着けエサ用にボイルのオキアミを1枚と集魚剤を1袋買いました。
Fさんのアドバイスでポイントが遠い場合もあるので、マキエを遠投できるように生オキアミと集魚剤の組み合わせとしました。 

Fさんと交代で運転をして下田には1時すぎに着きました。
出船が4時ですので3時半まで車で仮眠をいたしました。
前回の釣では神津島に船が着く前に船に酔ってしまいました。
三水釣具店でおすすめの酔い止め薬の話をしましたら、ご主人がアンプルの酔い止めを1本くれたので3時半に起きてパンを食べて酔い止めを飲みます。

船は時刻通り4時に港に入ってきました。
晴天の3連休の初日ですが釣り客はそう多くありません。
数えてみますと全部で12人ほどです。

竿や磯クーラーを船に積み、我々は泊りの荷物を持ってキャビンで横になりました。
私はエンジンの音を聞いているうちに寝てしまいました。

「おはようございます」という船長の声で目を覚ましますともう船は神津島についていました。
三水釣具でもらった酔い止めはよく効きました。
1時間半ほど熟睡いたしました。 

時刻は6時です。
船は6時半に港を出るようです。


 

賀寿丸の船長と乗る磯の相談をするFさん 港の光景はいかにも火山の島という雰囲気だ


Fさんが船長とどこに上がるか相談したところ、沖磯はタカベなどのエサ取りが多いので、本島まわりのほうがエサ取りは少なくて釣りやすいのではないかということです。
私はここまで来たらもう船長に運命を任せようと思いました。 

やがて6時半になり船は港を出ます。
前日は泊りのお客さんはいなかったようです。
船は祈苗島(タダナエ)の磯に2組を下して後は島まわりの磯に着けていきます。
最後に我々が呼ばれて多幸湾の出口にあります砂糠崎(サヌカザキ)の先端の沖砂糠という磯に上がりました。
この磯は沖に突き出しているので潮の流れはいいように思いますが、先端は大きなサラシが広がっています。


 

沖砂糠(オキサヌカ) 先端からは大きなサラシが広がる




 

砂糠崎から港方向を見る


我々は先端から下がったところで竿を出すことにしました。
時刻は7時過ぎです。
Fさんは私の右手の地方よりに入ります。
マキエを打ちますとオキアミはゆっくりと左前に流れていきます。
満潮が8時すぎですのでこれから少し潮が高くなります。
私は磯際から1歩下がったところから竿を出すことにしました。 

今日の仕掛けです。
竿はがまかつのアテンダーU、2号、リールはシマノのレマーレです。
道糸4号、ハリスはシーガーエースの5号2ヒロをサルカンで結びます。
ウキは釣研の3Bの中通しのもの、ハリはザ・ロックの8号です。 

ウキ下は2ヒロ半で開始いたしました。
足もとに投入したウキはゆっくりとサラシのほうに流れます。
サラシまで流れますとウキは海中に沈んでいきます。
いきなり竿をひきこまれるといけないのでリールはフリーにして人差し指でレバーを押さえます。
いつ大物のアタリが来てもいいように竿は腰だめの態勢です。 

1投目はエサが着いてあがってきました。
2投目です。
沈んでいったウキが早く沈んだような気がして合わせますと魚が掛かりましたがそう大きくはありません。
竿を立ててリールを巻いているときに魚が外れました。
Fさんが「魚がいることは分かったよ」と声をかけてきます。
私は合わせが弱かったかなと反省をしました。 

仕掛けを点検して、エサを付け直して足元にウキを落とします。
左に流れたウキはサラシの下に潜っていきます。
赤いウキが沈んで行ってスッと見えなくなります。
ヨシ来たと思いましたが、合わせを入れる前に竿に来ていました。
アテンダーがひん曲がります。
私は糸を出さずに、磯の前に出て竿を右側に倒してやり取りをします。

私は念のために2回竿をあおってハリを深く掛けました。
ゴンゴンと頭を振るような引きが竿を通して伝わってきます。
アテンダーで十分にためて寄せてきましたのはグレのようです。
私は引きから40cm位のグレだと思いましたが、足元に寄せてから魚は急に磯際に突っ込みます。
この突っ込みはもしかすると尾長グレかもしれないと思いました。
ウキが出ましたのでタモの用意をしようと思いましたが、そこからしつこく磯際を走り回ります。
しかし、5号のハリスですので強引に寄せて浮かせましたのはきれいなオナガグレです。
この魚は私が自分でタモを入れました。 

このグレは測りましたら44cmでした。
40cmオーバーのグレを釣るのは10年ぶりです。
私は久しぶりの尾長グレの引きを思い出しました。
やはりクチブトグレと違って引きにスピードがありますね。


 

久しぶりの尾長グレ 44cm きれいな魚体だ


ハリスを点検して私は釣りを始めました。
私が尾長グレを釣り上げた直後にFさんがクチブトグレの40cmを上げました。
そのあと数投して尾長の時と同じようにサラシの下に入ったウキが沈んでいき、合わせると魚が掛かりました。
今度は走り回りませんが重い引きです。
ゆっくりと竿でためて上げたのはクチブトグレの46cmでした。

 

クチブトグレ46cm


魚を締めて磯クーラーに放り込みます。
今が時合と急いでハリを結び直し、マキエを打ってウキを足元に落とします。
続けてサラシの中でアタリが出て今度は40cmのイサキが釣れました。

 

イサキ40cm


Fさんも続けて40cmほどのグレを釣り上げます。
その後アタリが出なくなりました。
Fさんはエサが残るのでタナを1ヒロほど深くしたと言っています。
私もエサが残りますのでタナを3ヒロにしましたがアタリは出ません。

気分転換に磯の反対側でやってみようということになり磯の反対側に移動して竿を出します。
反対側でFさんは41cmの尾長グレを釣り上げました。
続いてクチブトグレの40cmも釣り上げます。
30cmほどの尾長グレは放流しています。
私にはなにも釣れませんし、アタリもありません。

やがてFさんもアタリが遠のき昼ご飯を食べようということになりました。
Fさんがガスコンロでお湯を沸かしてくれましたので、私はカップヌードルとおにぎりを食べました。
磯の上で食べるラーメンは妙においしいですね。

食事をして海を見ますとかなり潮が下がってきています。
我々は少し前に出てサラシの周辺にウキを投入します。
Fさんがサラシの中にウキを投入してすぐに竿が曲がりました。
これは40cmほどの尾長グレです。

「サラシの切れ目できたよ」と言いますので、Fさんがグレを始末している間に私もサラシにウキを投入します。
ウキが沈みながらサラシに押されて沖に出て行きます。

糸を張っていますと竿にゴンとアタリが来ると同時に竿が引き込まれます。
竿を立てる分だけレバーを緩めて糸を出して、竿をシャクって私は合わせを入れました。
この魚も一気に底に向かって走ります。
私は竿を右に寝かせて磯の前に出てやり取りをします。
魚は左側の根に入り込もうとしますが、強引に竿でこちらを向かせます。
魚は足元まで来ましたが、ここからが尾長はくせものです。
この魚もしつこく磯際で潜りますので、なんだかハリスが磯にこすれているような感じも致します。
これは早く勝負しなくてはいかんと思い強引に魚を浮かしますと、サラシに押されて浮いた魚が手前に寄ってきます。
Fさんがサラシに押された魚をナイスキャッチで掬ってくれました。
この魚は1匹目の尾長よりもずいぶん引きましたがサイズは1cm大きい45cmでした。

 

2匹目の尾長グレ45cm 1匹目よりも体高がありよく引きました。


ハリスを見てみますとハリの手前が10cmほどザラザラにささくれています。
やはり磯際でこすれたものと思います。
私はハリス5号をかけていて良かったなと思いました。
このこすれようでは3号ではもたなかったと思われます。

 

尾長グレ45cmを釣った私 強い引きのためか?少し疲れて見える


時刻は1時ごろになりました。
潮が引いてきましたので私はもう一つ先端よりの磯から竿を出しました。
強いサラシの中でウキが沈み糸を張っていると竿にアタリが来ました。
サラシの中で魚は良く引きました。
ゆっくりと上げた魚はクチブトグレの46cmでした。
Fさんが離れていましたので自分でタモを入れました。

 

クチブトグレ46cm


魚を締めて針を結び直します。
再びサラシに投入したウキが沈んでいきます。
すぐに竿にゴンという衝撃が来ます。
これは大物のアタリと竿を右側に倒して腰だめで踏ん張ります。
アテンダーを思いっきりまげて魚の引きに耐えます。
リールのドラグが逆転してジッジッと糸が出ます。
リールのスプールを押さえて竿で魚の引きに耐えます。
Fさんに声をかけてタモをお願いします。
Fさんが来た時にはウキが見えました。
今日一番の引きにこれは尾長なら50cmは超えているなと思いました。
ウキが見えてからは割合早く魚は浮いてきました。

Fさんに掬ってもらったのは大型尾長かと思いましたがタモに入った魚を見て「こりゃノトイズスミや」とFさんにいわれました。
イズスミは60cmほどありましたが、Fさんがタモを上げているときにタモがひっくり返って魚がタモから出たときにハリが外れてしまいました。
ハリが外れたのかと思いましたら、ハリの上でハリスが切れていました。
5号のハリスのハリのチモトがこすれて切れていました。
5号といえども強引に魚を上げないと、時間をかけていてはこすれて切れるということですね。
これが60cmの尾長グレでしたらFさんを一生恨んだかもしれませんね。 

これを最後に我々は道具を片付けました。
今日の釣果は私が尾長グレ44,45cm2匹、クチブトグレ46cm2匹、イサキ40cm前後3匹、Fさんオナガグレ41cm2匹、クチブトグレ40cm3匹、イサキ2匹でした。
前回はチャレンジしただけでしたが、今回は尾長グレの釣果もあり少し結果も出しました。
神津島で一歩前進でしょうか。 

今日神津島に泊まったのは我々と滋賀県の二人組の4人でした。
明日はどこに乗ろうかという話をして、お互いに今日の状況などを話し合っていましたが、Fさんともう一人は7時の天気予報前に寝てしまいました。
もう一人の方と私は三重県のグレ釣りの話をしながら7時のニュースまで起きていましたが、眠くてたまらずに7時半には布団に入りました。 

今日は久しぶりの尾長グレの引きも味わえましたので充実した1日でありました。
当たり前ですが、尾長グレの出る磯に立たないことには魚は釣れませんね。
あとは魚が掛かった時にどう取り込むかが問題ですね。
60cmのイズスミも取り込めましたのでアテンダーU、2号は大物が取り込める竿なのかもしれません。
私は尾長グレの引きを思い出してニヤニヤしていたかもしれませんが、布団に入るなりすぐに意識が遠くなりました。
 


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