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上野山さんからのリポート
「延べ竿と棒ウキのシンプルな釣り」
敦賀湾内の堤防 (福井県)
2022/10/20
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10月20日は午後からいつもの堤防にサヨリの採集に行きました。
サヨリは10月いっぱいくらいしか釣れないと思い、もう一匹標本になるサヨリを釣ろうと思ったからです。
この日は高気圧が張り出して秋の晴天です。
弱い北風が吹いて釣り日和です。
前日にサンスイ釣具店のご主人とサヨリ釣りについて話しましたら、ご主人は以前よく冬にサヨリ釣りに行っていたそうです。
冬のサヨリはよく太っていて大きいですが、すぐに移動してしまうので行ってもまったくいないこともあるということでした。
群れに当たると、200匹ぐらいは釣ったということです。
サヨリはおいしいですが、そんなに釣りますと後の料理が大変ということです。
「サヨリを釣るのでしたら、延べ竿と棒ウキの仕掛けですと、手返しが良くてよいですよ。5.4か4.5mくらいの竿がよいです」と私はご主人からアドバイスを受けました。
家に帰ってから、5.4mの渓流竿があったと思い探してみますが見つかりません。
そのかわり、亡くなった親父が使っていたと思われる柔らかい4mの延べ竿と6.3mのアユ竿が出てきました。
6.3mのアユ竿は伸ばしてみますと、あまり持ち重りいたしません。
これは使えそうです。
私はサヨリ釣りに専念するということで、今回は磯竿を持たずに4mと6.3mの延べ竿2本を持っていきました。
午前中は仕事をして、1時にサンスイ釣り具店に餌をとりに行きました。
マキエはオキアミ1枚にグレパワーを混ぜました。
店では、御主人おすすめのアジ釣りに使う棒ウキも購入いたしました。
延べ竿と棒ウキで釣りをするのは、私の子供が小さいときにアジ釣りに行った時以来ですので25年ぶりくらいです。
1時半ごろに釣り場に到着いたしますと、以前神津島に釣りに行きましたFさんがいました。
朝から釣りに来ていてもう帰るということです。
「上野山君は今日もサヨリ釣りか」と聞いてきます。
Fさんは「ぐれねっと」の釣行記「虫のついたサヨリを採集する」を読まれていたと思います。
「今日は投げサビキでアジを釣りに来たけどアジが釣れないので、途中からサヨリを50匹ほど釣った。自分が釣ったサヨリには虫はついていないと思う。サヨリはいっぱいいるよ」ということでした。
Fさんは私が釣りの用意をしていると道具を片付けて帰りました。
帰り際に「ボイルのオキアミでもサヨリが釣れるのでこれも使ってみたら」といってボイルのオキアミを少し分けてくれました。
堤防にはいつものアジ釣りの常連のおじさんが2人います。
2人とも今日は投げサビキ釣りのようです。
2人とも今日はあまりアジが釣れないといっています。
「おっ今日は延べ竿やな。小アジでも釣るんか」と聞いてきますので「今日はサヨリ釣りです」と答えます。
マキエの用意をしてマキエを足元に打ちますと6cmほどの小アジと5cmほどのグレの子が群がります。
少し沖にサヨリがいるようです。
私は長いほうの6.3mの竿で釣ることにいたしました。
釣りやすいように背中から北風を受けるようにしました。
道糸は1.75号を通しといたしました。
もしかして、そろそろ良型のグレが釣れるかもしれないと思ったからです。
「ぐれねっと」なので、一応グレも狙わなくては。
棒ウキに、Bのオモリをつけて、ハリはスレバリ4号としました。
ウキ下は30cmほどです。
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当日使った棒ウキと4号のスレバリ
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6.3mの竿でウキ釣りをするのは初めてですので、初めは戸惑いましたがすぐに慣れて、戻ってくるウキを軽くつかむことができるようになりました。
しかし、今日も空振りが多くてサヨリが釣れません。
今日はすぐにウキが入り、小アジや5cmほどのグレがサヨリより先にエサをとってしまいます。
1時間ほどしてサヨリは3匹ほどしか釣れません。
6.3mの竿では意外と手返しが大変です。
たまによく引くなと思いますと20cmほどのグレです。
このグレは放流いたします。
時刻は3時を過ぎましたが、釣ったサヨリはまだ10匹ほどです。
しっかりハリに掛からないのか、水面でバレたり、抜き上げてから足もとに落ちてバタバタして海に帰ったりするサヨリが何匹もいます。
小アジとグレの子は20匹ほど釣りました。
今日は不思議とアイゴが釣れませんし、ボラもいません。
海の様子は毎回違いますね。
どうも少し沖のほうにサヨリがたくさんいるようですが、竿が届くあたりに打ったマキエにはアジやグレの子が群がってしまいます。
4時前になり棒ウキが消しこむと同時に竿が曲がります。
アユ竿ですので何とか魚の引きに耐えて竿を起こします。
アジ釣りのおじさんが「オオッ 大きいグレかもしれんな。石の間に入られんように用心しろよ」と声をかけてきます。
延べ竿で大きな魚を釣るのは、小学生の頃釣った30cmほどのフナ以来です。
足元の根に潜り込もうとする魚を竿で浮かそうとしますが、なかなか魚は浮きません。
糸が岩でこすれてしまっては、1.75号でもすぐに切れてしまいます。
ここはアユ竿ですので強引に上げようと力で上に引っ張ります。
魚は左に行ったり右に行ったりしていましたが徐々に浮いてきました。
浮いてきたのは良型のグレです。
今日はサヨリ釣りということで、タモを用意してこなかったので、掛かったグレを抜けるかなと思いましたら、ルアー釣りに来ていた若者が「タモ出しましょうか」と声をかけてくれました。
「スズキが掛かった時のためにタモは用意しています」ということです。
若者がタモを入れてくれたグレは、計ってみましたらバッカンの蓋の30cmのスケールを超えていました。
見た目で32cmくらいです。
タモを入れてくれた若者にはお礼を言いました。
釣れたグレは、この堤防では大きなグレでした。
私は初めてこの堤防で30cmを超えるグレを釣りました。
4号のハリは口の端にチョコンと掛かっていました。
4号のハリでも充分30cmのグレは釣れるものなのですね。
エサをつけて仕掛けを入れますと、また竿が引き込まれます。
今度は少し小さい30cmほどのグレでしたが、また若者がタモを入れてくれました。
その後は27,8cmのグレが3匹釣れましたがこれは抜き上げました。
釣れたグレはどれも太っていて美味しそうです。
延べ竿でのグレ釣りもなかなかスリリングで面白いですね。
延べ竿と棒ウキのシンプルな釣りはホントに釣りの原点ですね。
釣ったタナは25cmほどでしたが、この時間帯だけアジは釣れずにグレばかり釣れました。きっとグレの活性が高まって餌をとりに海面に浮いてきたのでしょう。
5匹ほど連続でグレが釣れますと、今度はウキが入っても小アジが釣れてきます。
グレの時合は15分ほどしかなかったでしょうか。
ふと横を見ますとサンスイのご主人が堤防まで来ていました。
「Fさんが家で魚を料理していたら1匹のサヨリに虫がついていたという連絡が来ました。上野山さんに電話がつながらないので私に連絡がありました。それを伝えに来ました」ということです。
私は釣りをしている間は電話をオフにしているのです。
釣りが終わってから電話を見るようにしています。
その場からFさんに電話を入れますと、虫のついたサヨリはよけてあるということです。
アジとサヨリをごっちゃにしてクーラーに入れてあったが、虫は外れていないようだということでした。
虫のついたサヨリとグレを交換しに家に寄ります」と私はFさんに伝えました。
電話をしている間、ご主人は私の竿でサヨリ釣りをしましたが、サヨリが沖に出ているのでサヨリは釣れませんでした。
アジのアタリしかないといっていました。
ご主人が「今日も発泡の箱は必要か」と聞きましたので、帰りに寄るので用意してもらいました。
今回も保冷材の入った箱を釣具屋からいただきました。
いつもながら何とも親切な釣具屋です。
御主人にはサヨリ釣りの指導など、側面から今回のサヨリイカリムシモドキの調査に協力していただいています。
数日前に、N氏からはキジハタの寄生虫は今まで島根でしか確認されていなかったのですが、今年にはいって富山湾で捕獲されたキジハタについていたということで写真を送ってもらいました。
写真をサンスイ釣り具のご主人に見せたところ「この寄生虫は昨年あたりから敦賀でも確認されているな」といって、寄生虫のついたキジハタの写真を店に貼って注意を呼び掛けています。
釣具店には魚のいろんな情報が寄せられますね。
私は4時半ごろに道具を片付けてFさんの家に行き、虫のついたサヨリと30cmのグレを交換いたして、すぐに宅配便で私の釣ったサヨリも一緒にF氏に送りました。
F氏からは、翌日無事にサヨリから虫を取り出すことができて標本になったと連絡がありました。
そして「釣具店のご主人、ぐれねっとを読んでサヨリに注意を向けてくれたFさんの、釣り仲間の熱い連携に大感謝いたします」とメールにありました。
今回はサヨリ釣りに行き、延べ竿で思わぬ良型のグレを釣ることができました。
常連のアジ釣りをしている方からは「タモを持ってこんほうが魚は釣れるで」といわれてしまいました。
次回もタモを持たずに6.3mのアユ竿と棒ウキでグレ釣りをやってみようかと思いました。
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グレ26〜32cmを5匹 サヨリ15匹
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