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 上野山さんからのリポート
 「アテンダーUの初陣

  武者泊 (愛媛県)
   2017/01/17

 

1月17,18日と2日間、地元のサンスイ釣具店ご主人のM君と、昨年一緒に武者泊に釣行しました今年77歳になるというTさんと3人で武者泊のいろは渡船で磯釣りに行きました。

敦賀を前日の午後4時に出発して、いろは渡船には午前1時半ごろに到着いたしました。
仮眠所は我々3人しか使わないようですので、明日の釣のことなどを話ししながら少しお酒を飲んで2時には布団に入りました。
いつも釣りをする前は楽しくて、帰りは「まあ、今一つでしたな。次回に期待ですな」ということがほとんどです。
今回も出発前の2日間は冬型が強くて大荒れで四国にも雪が降っています。
水温も土曜日には1度は下がったということです。
土曜日は水温が下がってエサ取りも見えないということでした。
水温が下がってもう4日目ですので、そろそろグレが食ってもよいのではという淡い期待を持っての釣行となりました。
私は昨年の夏にサンスイ釣具でがまかつの磯竿アテンダーUの2号を購入しましたが、まだ1回も使っていません。
今回の釣行が私の家で出番を待って半年眠っていたアテンダーUの初陣となりました。 

出船が朝の6時40分ですので我々は5時半に起きて支度をしました。
Tさんが電気湯沸かしポットを持ってきてくれましたので、朝はカップラーメンを食べて体を温めました。
カッパを着て支度を済ませて船のそばに荷物を置きますと船長がやってきます。
「昨日は野地島で釣れているのでそっちはどうかな。ガマゴウラは先週アイゴが多かったですよ」と言われて我々は野地島に釣り場を決めました。
我々以外にはお客さんは3人ですので、ほかの釣り人は野地島の近くにあります「フタゴ」と「イチガハエ」に上がるようです。

時間通りに船は出て10分ほど走って野地島につきました。
ここは港から一番近い磯ですので同じ料金なら遠い磯のほうがいいのではと思いますが、ここが釣れているということですので船頭に任せるしかありません。

夜明けの磯を「フタゴ」に向かって走る渡船 手前がイチガハエ、奥がフタゴ

今まで私は野地島に2回上がっていますがグレを釣ったことがありません。
2回とも相棒は下山さんですが、私も下山さんもグレは釣れない不吉な磯です。
その時のレポートは釣行記NO178「アドレナリンが吹き出すような強烈な引き」にあります。
当時のレポートを読みますと野地島では1回どうしようもないアタリが私にありました。
釣りを開始して1匹目が40cmほどの手頃なグレですと調子がいいのですが、武者泊では初めてのアタリがどうしようもない大物のアタリということもよくあります。
しかし、M君はここ野地島では毎回グレを釣っているということです。 

野地島は平たくて大きな磯ですので釣る場所に迷うほどです。
船着きにTさんが入りその右側にM君、少し離れて左側に私が入ることになりました。 

私の今日の仕掛けです。
竿はがまかつアテンダーUの2号で今日初めて使います。
道糸4号、ハリス4号2ヒロの遊動仕掛けです。
ウキは釣研の小粒のものです。
ハリはザロック7号でウキ下は3ヒロから始めました。

私の釣り場は、足もとから左側に根が出ていますので魚が掛かったら磯の右側から取り込まなくてはいけません。
エサはボイルのオキアミを2枚用意いたしました。
マキエを撒いてウキを落としますと潮は左にゆっくりと流れます。
1投目は着けエサが着いてきます。
エサを付け直して今度は5mほど流して仕掛けをあげますとエサが頭だけ食べられています。
3投目はユックリとウキが沈みますが合わせても魚は掛かりません。
小魚がエサを吸っているのかもしれません。
その後は毎回ゆっくりとウキが沈んでいきますが合わせても魚は掛かりません、エサが取られるばかりです。

10投ほどしたでしょうか、ゆっくり沈んだウキが止まりましたので合わせますと魚が掛かりました。
私はどうせ空振りだろうと思って合わせたら魚が掛かりましたのでビックリしましたが、掛かった魚の引きは強烈です。
竿が伸されますので少しレバーを緩めて糸を出して竿を起こしますが魚は左に張り出している根に向かって走ります。
ドラグも逆転して糸が出ます。
ドラグを締めてしばらく竿でこらえていましたが、ハリスが根に当たったのか竿が跳ね上がりました。
アテンダーUで初めてかけた魚はかなりの大物で、まずバラシからスタートしてしまいました。
やはり大型が掛かるかもしれないという覚悟で合わさないと大物はとれませんね。
久しぶりの磯釣りですので、掛かったらすぐに磯の前に出ることなど基本的なことを忘れていました。 

その後はアタリもなくなりエサも取られなくなってきました。
天候は晴れて気持ちいのいい釣り日和でしたが、水温は上がらないようです。
私も横で釣っているTさんもなにも釣れないまま10時ごろになりました。
満潮が10時前ですので潮止まりになりましたので私はサンドイッチに缶コーヒーを飲んで休憩をしました。
M君の後ろに行って食べながら様子を聞きますと、水温が低いので5ヒロでやっているということです。
エサも時々しかとられないということです。
どうも魚の活性は低いようです。
M君は足もとからウキを流してオジサンとオオモンハタを釣ったということです。
釣った魚は持って帰って食べるということです。


隣の磯で竿を出すTさん 晴れて風もなくいい天気でした。


私は元の釣り場に戻って釣りを始めましたが、潮はかすかに左に流れる程度であまり動きません。
M君が5ヒロでやっているということでしたので私もタナを下げて4ヒロとしました。
そのうちM君もパンを持って私のところにやってきました。
「野地は私の分のグレを預けてあると思っていましたが、今日はだめですね」と言います。
時刻は10時半頃です。

M君が後ろにいるので後ろを向いて話していましたが、ふとウキを見ますと沈み始めています。
ウキが加速して入っていきますので合わせますと今度も強烈な引きです。
またもやドラグが逆転して糸が出ますが竿が伸されますのでブレーキを緩めて糸を出して竿を起こします。
魚に左に走られて根にこすれてはいかんと磯の前に出て竿を右側に倒しながら強烈な引きに竿で耐えます。
今日1回目のバラシで「左の根は危険」とインプットされました。
ドラグが逆転しないようにリールのスプールを手で押さえながらのやり取りです。
竿はかなり曲がっていると思いますが初めて使う竿なので加減がよくわかりません。
私は出来るだけ竿で粘ろうと思いリールの糸を出しませんでした。
竿も伸されないので大きく曲がっています。
後ろで竿の曲りを見ていたM君も「オー」と声を出しています。
後で聞いた話では竿はつの字のように曲がっていたということです。
左の根に向かって走る魚を強引に竿で止めていましたら魚は止まりました。
リールも巻けるようになりましたので、魚が引かない時は2,3回糸を巻けます。
そのうち魚の引きも弱まったように思いましたので竿で魚を浮かせます。
水中深くに青い魚が見えましたのでM君に「これはアオブダイかもしれない」と言いました。
何度かブレーキを緩めたり、ハンドルを巻いたりのやり取りをしながら魚はゆっくりと上がって来ました。
私は魚の顔を見てブルーのキバンドウかと思いましたが、M君が「これはカンムリベラですね。かなりの大型です」と言います。
私は魚を寄せてM君の差し出す私のタモに魚を入れました。
昨年は90cmのアオブダイが掛かって私のタモには入りませんでしたが、今日の魚はタモにすんなりと入りましたので昨年の魚よりは小さいようです。
下山さんからもらったメジャーで測りましたら長さは65cmでした。
重さは6kgほどでしょうか。


アテンダーUで釣り上げた最初の魚はカンムリベラ65cmでした



 

カンムリベラ 65cm 下山さんのメジャーです 魚が上下逆ですね



 

当日の写真では顔がよく見えないのでネットで写真を捜しました。


魚は写真を撮って放流しました。
私は魚を磯際まで持っていって海に逃がす時に、磯靴の右足を波で濡らしてしまいました。
濡れた靴下を絞りながらも何か充実感がこみ上げてきました。
それにしてもアテンダーUは初陣でカンムリベラの65cmという記録物の魚を取り込めました。
この竿は強運を持った竿かもしれないなと思いました。 

その後30分ほどして左に流れたウキがゆっくり入って合わせますとこれも強烈な引きです。
ブレーキを緩めて竿を立てる分だけ糸を出して竿でこらえた瞬間にリールのベールが開いてしまいバラバラと糸が出てしまいました。
ベールを閉めて再度やり取りを開始しましたが魚はかなり潜ってしまったようです。
魚の手ごたえを竿に感じた瞬間にふっと軽くなりました。
今回はハリスから切れていました。 

その後は釣れない時間が続きますが12時を過ぎて潮が右手に流れるようになりました。
右に流れたウキがスーと沈んでいきます。
これはいいアタリと合わせますと竿が引き込まれて緩めにしたドラグから糸が出ます。
しかしこの魚はカンムリベラほど引きません。
最初の引きは勢いが良かったのですが割合すんなり浮いてきましたのは赤い魚です。
これは15年2月にゆたきちさんと熊野に釣りに行って釣り上げた魚で、当時はベラだと思って逃がしてしまったアカハタではないでしょうか。
その話は釣行記NO190「ナント3年ぶりの大雪の日に釣りに行く」に出てきます。
釣り上げた魚をM君に見せに行くと「アカハタだと思うので持って帰ればいい」と言います。
私はようやく持って帰れる魚を釣りました。
釣れたアカハタは42cmほどでした。

 

アカハタ42cm


アカハタを釣り上げて10分ほどして、今度はゆっくりと沈んだウキが少し早く沈んだような気がして合わせました。
あまり引きませんが魚が掛かりました。
これは今日初めてのグレです。
サイズは32cmと小型ですが、ようやくこれで秋から続いていたグレボーズが止まりました。

 

ようやく釣れたグレ32cm


その後はエサが取られますがいいアタリは出ませんでした。
隣のTさんも私がグレを釣ってしばらくして30cmほどのグレを上げました。
M君は1時過ぎてから連続で46cmほどのグレを2枚上げました。
今日は12時ごろに潮が変わってからグレが釣れたということです。
32cmのグレを釣った後、魚を追加できないまま1時40分になりましたので私は竿を置くことにしました。 

今日の全員の釣果です。
私はカンムリベラ65cm放流、アカハタ42cm1匹、グレ32cm1匹を持ち帰ることになりました。
Tさんはグレ30cm1匹、M君はグレ46cm2匹にオオモンハタ、オジサンという結果でした。

魚はそう釣れませんし、タナも4,5ヒロと深くとりましたのでやや苦戦の釣でしたが、私は大型外道も取り込みましたので楽しい1日でした。
M君も「1時になってもグレが釣れなかったので今日はボーズかもしれんと思いました。潮が変わってよかったです」と言っています。
水温が下がってから4日目でしたが、ようやくグレが食いだしたというところでしょうか。 

港に帰りますと他の磯の皆さんもグレを釣っていました。
私のアカハタを見て「これは50cmのグレよりも値打ちがあるぞ」と地元の方に言われました。
料理人だったTさんは「このサイズを酒蒸にして料理して出すと料亭なら2万円はしますよ」と言います。
私はアカハタというおいしい魚も釣りましたし、グレボーズも脱出しましたので充実した1日となりました。
私の大物外道との勝負は1勝2敗でした。
他の二人には糸を切っていくような大型のアタリはありませんでした。

 
M君が1時過ぎに釣ったグレ46cm2枚

道具を車にしまって我々は一本松温泉に行き汗を流して、食料を買い込んで仮眠所で反省会をしました。
反省会の途中に船頭さんがタバコを吸いに来ていろんな話をしましたが、7、8月も半夜のお客様が多いということを聞いてそんな時期も磯釣りをする人はいるのだと少し意外に思いました。

私は9時になって眠くなりましたので話をしている二人を残して先に布団に入りました。
カンムリベラとのやり取りで大きく曲がったアテンダーUを思い出して、今日は楽しい一日だったと思う間もなくすぐに眠ってしまいました。 



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